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その日は突然やってきた。
施設の入口にちょっと怖いおっちゃんが居ったから
先生たちの部屋に言いに行ってん。
そしたら、中から先生たちのヒソヒソ話。
「…どうしてあんな物騒な人達がウチに…」
「何でも優秀な子、見つけたらしくて…」
「…そんな…噂ではマトモに生き残れるのはひと握りって話じゃない…」
先生の話はちょっと難しくてようわからんかったけど、
あのおっちゃんらはやっぱり怖い人で、連れてった子に酷い事するんやな
っていう事だけはわかった。
「で、誰がご希望なのかしら…」
「…隆平君。あの子、運動神経いいし、武術得意でしょう？」
聞こえてきた名前に声出しそうになって、思わず両手で口を塞ぐ。
りゅうへい君？
え、あの怖いおっちゃんらにりゅうへい君連れてかれんの？
痛い事とか、怖い事されてまうの？
ネコが大好きで、あんなに優しいりゅうへい君が？
気がついたら走り出してて、入口のとこにまだおったおっちゃんに叫んでた。
『おっちゃん！ウチを連れてって！！
ウチ、りゅうへい君と同じくらい強いねん！何でもするから！！』
「…子供の癖にいい目をする…目的の為なら手段を選ばん目だ。」
何が気に入ったんか知らんけど、ウチの必死のお願いは聞いてもらえて、
事情を知った先生には必死で止められたけど、
『皆には言わんといて』って口止めだけして、
その日の内に新しい“家”に連れて行かれた。
それからずっと生きていくための訓練をずっと続けて
しんどくて、痛くて、苦しかったけど
ウチが逃げたら次はりゅうへい君がこんな目にあうって思ったら
耐える事ができた。
感情を削ぎ落とし、目の前の目標だけを倒す。
こうしてウチは当主ご自慢の“駒”になった。
*
カシャン…
足元に転がった、弾倉。
「…ふん、本当にくだらん娘だ。
そんな半端物は、どうせここでは役に立たん。
そいつらもろとも、つまみ出せ。」
確かに入っていた弾丸は一発。
但し火薬の入っていないイミテーション。
結局試されたのは覚悟やったんか、
それともウチはこの人との賭けに勝ったんやろか。
車椅子を押され、部屋に戻る当主の背中に
深々と頭を下げ、最後の声をかけた。
『……今まで、お世話になりました…』
「……………。」
当主は何も言わず、そのまま去って行った。
振り返ると、いっぱい涙流して呆然としてる７人の顔を、
ウチは一生忘れへんやろう。
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おこめ(プロフ) - 名無し39097号さん» コメントありがとう御座います。先日の大阪の地震と仕事の多忙さWパンチで中々書けなく、申し訳なく思ってます…。ゆっくりですが更新していきますので、気長にお待ち頂けると嬉しいです！ (2018年6月25日 21時) (
レス) id: 9bbb71cfd8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し39097号(プロフ) - 更新楽しみしてます。 (2018年6月25日 8時) (レス) id: 57b555248c (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - まぶたさん» まぶたさん、コメントありがとう御座います！一応いくつか書きたいお話はあるので、まとまりそうならまた書かせて頂きますね！＾＾ (2017年9月27日 22時) (レス) id: 9bbb71cfd8 (このIDを非表示/違反報告)
まぶた(プロフ) - 更新楽しみにしてます＼(^^)／頑張ってください！ (2017年9月26日 23時) (レス) id: 2f670dd364 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おこめ | 作成日時：2017年4月30日 22時
