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23.本屋にて ページ28





『暇』



そう言いながら、ベッドの上で枕に顔を埋める


とてつもなく暇


何か趣味があれば良いのだが、


特別、私には手芸やお菓子作りなどが好きなわけでも無く



ん?……待てよ?



目に写ったのはいくつもの小説が並べてある本棚



『本だ』



そう、私には本があるではないか


丁度、この前買った小説は読み終わってしまい、新しい小説を買おう思っていたところだったのだ



『よし、本屋いくか』



階段を降り、玄関の壁に掛けてある帽子を被る



ドアを開ければ、近くでセミの鳴き声がした



本当だったらもう少し気温の低い日に外出したかったが、外出といっても駅前の本屋をプラッと見てくるだけなのでそこは我慢しておこう



にしても、行く人行く人が汗だくだ



まあ、無理も無いか



「ママぁ…暑い抱っこ」


「抱っこなんてしたら、ママもだいちゃんも、もっと暑くなっちゃうわよ」



通り過ぎて行く親子の会話、



不意に母との記憶が読みがえる



私はあんな風に甘えたこと無かったな



むしろ…



【A!お帰り〜〜〜!!】


【ママ暑いくっつかないで】



という感じで今と変わらず結構ドライな対応をしていたと思う



思い出せば、自然と口角が上がってしまった



次第に本屋の看板が見えてくる



大して大きくもないが、自分は案外この本屋の本の並べ方が好きだったりする



自動ドアが開けば、本の香りと共に冷気が当たる



『どれにしよ』



沖田「オイ、根暗」



恐らく3週間ぶりの彼の姿



『何でここに?』


彼が読書するところなんて想像付かないのだが…



沖田「姉さんのお見舞いに持って行くんでさァ」


『見舞い?お姉さんどこか悪いの?』


沖田「まぁ…肺がねィ」


『そうなんだ…お大事に…』


ほんの少し、聞いて良かった物だったのだろうか?と罪悪感を感じる


沖田「おすすめの本とかねーか?」


『おすすめ?』


沖田「俺ぁ、ちっとも分からねんでさァ」



ああ、本読んで無いもんね



その癖、彼は頭が良い


『これなんてどう?ちょっと厚いけど直ぐ読み終わるし、下巻もあるよ』


沖田「だから俺に聞いてもわかんねーつってんだろィ」


『選んで貰ってる人の態度とは思えないんだけど』


沖田「はいはい、いんじゃねーの?それで」


そう言って、私の手から上巻と下巻を持ってレジに向かっていく彼に腹を立てる


本当勝手なヤツ



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チヨ(プロフ) - ちかさん» 更新、大変遅くなり申し訳なかったです……。神………初めて言われました…泣ありがとうございます! (2019年9月27日 19時) (レス) id: d0934a6013 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 今回も神ですね! (2019年9月26日 18時) (レス) id: e4c55b48d4 (このIDを非表示/違反報告)
チヨ(プロフ) - ちかさん» ほんっとチカさん面白い!笑 いつも、チカさんのコメント有難く思ってまする…ありがとうきびうんこ!!☆ (2019年7月22日 23時) (レス) id: d0934a6013 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - え、コメント下さると嬉しい?なら、更新されるたびにコメントしよーかな!(((え、ただの迷惑ぅ笑笑 (2019年7月22日 16時) (レス) id: e4c55b48d4 (このIDを非表示/違反報告)
チヨ(プロフ) - ちかさん» あるある笑 (2019年6月15日 10時) (レス) id: d0934a6013 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チヨ | 作成日時:2019年4月24日 23時

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