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「ホント!いやー良かった、良かった。」
チョコロボくん好きって、知ってたけどね。
「でも、それは貰うけど、握手はいやだね。」
「え?」
私はポカンとした。
え、なんでチョコロボくんあげるって言ってるのに、貰うって言ってるのに…。
彼は無邪気そうに笑う。
「だって、知らない人だよ、嫌じゃん。」
「いやいや、知らない人からお菓子貰う方が危なくない!?」
絶対私は正論を言っている、そう思う。
「俺はいーの。」
そう言えば、ゾルディックでしたね。
もう毒の耐性あるのか、暗殺英才教育には目を見張るよ。
「まあ、あげるけどさー。」
あげないとどうせ、私の腹に入る。
それくらいなら…、と思いキルアにチョコロボくんを渡す。
「ヤリィ!」
「でも、知ってたらいいんだよね!じゃあ、良くここにいるから、暇と思ったら、チョコロボくんをせびりに来るついでに来てくれない?? そしたら、いつか握手してよ。私、ここに来たばかりで一人だし、寂しいからね。話し相手にでもなって。」
一か八か、そう言ってみた。
無理なら無理だ諦めよう。
普通、こんな提案乗るわけないしね。
「家族いねーの?学生じゃねーの?」
「君に言われたくないよ。私は20くらいだし、家族はこの世界にいない。」
ふと、出た言葉だがキルアは驚いた後、とても罰の悪そうな顔をした。
考えたら家族は死んだに聞こえるような言い方だった、実際は違うのだが。
「……ごめん。」
蚊の鳴くような声で俯きながら謝られた。
なんだか、騙したようで悪い気がしてしまう。
「いいよ、いいよ、大丈夫。」
真実は信用してくれないだろうし、悪いが言わないことにした。
その後は少しだけ彼と話した。
あんなことを言った贖罪であったのだろう、だが私にとってはただのラッキーであった。
キルアと話すことが出来たんだから。
彼は帰り際にボソッと。
「またこいよ、絶対だかんな。」
と言って逃げるように闘技場の奥に走っていった。
凄まじいスピードだった、6歳とは信じられん。やばい、ゾルディック。
「まじか、これはラッキー。」
私の彼にとっては不謹慎極まりない発言は周囲の雑踏に消えていった。
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†NANA†(プロフ) - ページ2で、「HUNTER×HUNTER」が「HHUNTER×HUNTER」になっています。 (2021年3月15日 11時) (レス) id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
ミネルバ(プロフ) - ゆーめーさん» 有難う御座います! まあまあ長めの小説なので、先を読もうと思いますと言われると、とても嬉しいです!! 楽しんで読んでください!!! (2020年11月29日 0時) (レス) id: b85da6c807 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーめー(プロフ) - とても面白かったです!続編も今から読ませていただきます! (2020年11月28日 10時) (レス) id: dfce067a28 (このIDを非表示/違反報告)
ミネルバ(プロフ) - ヘマトフィリィアさん» コメント有り難う御座います。個人的にも、能面黒髪キューティクルは語感が良くて気に入ってます。今後も、彼はちょくちょく出てくるので、楽しみにしていてください!! (2020年11月14日 0時) (レス) id: b85da6c807 (このIDを非表示/違反報告)
ヘマトフィリィア - 【速報 能面黒髪キューティクルがイケメン】 (2020年9月20日 12時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミネルバ | 作成日時:2019年7月30日 23時