防弾のMGイルボンサラム 3

110 TH ページ11

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TH「...控え室、気まずいだろ、」




俺の言葉に驚いた顔をする。


まあ 聞かなくてもわかる事だったけど。




「...ごめんなさい」




そう言って下を向いてしまった




TH「別に謝ってほしいわけじゃないし」


TH「俺、お前じゃないって信じてる...から」




これが 今の俺の本心だった。



確信はないけれど

コイツがそんな事するような奴には思えなかったから。






俺はユソンヌナが嫌い。






平気で人を騙したり

傷つけたりするような人



...なんて、少し前の俺は

目の前で俯く彼女に悪い態度を取っていた



すごく苦しかったと思う


悲しかったと思う


辛くて逃げ出したかったんじゃないか、そう考えると



一番コイツを苦しめて来た俺が

メンバーの前で出しゃばる事なんて出来なかった



みんながコイツを疑っていた時、本当は庇いたかった



俺も、ジニヒョンやユンギヒョンくらい

言いたい事はすぐに口から出るタイプなのに。



言えなかった



怖かったんだ



コイツを庇って、

自分まで変に言われるんじゃないかと思うと



怖くて踏み出せなかった



自分が弱虫で小さな人間だと気付かされた瞬間だった



ジニヒョンは追いかけた。

ユンギヒョンはすぐに否定した。



俺は何をしてやれた？



...何もできなったんだ






だから、せめて今度こそは






誰かがお前を拒んだとしても




俺だけは手を差し伸べてやりたいと思った







少しくらい、俺に甘えて欲しかったんだ







俯いたまま顔をあげないものだから


無理矢理 顎を持ち上げて顔を上げさせる




「っ、」




...泣きそうな顔。


俺の前なら泣いてもいいのに。




TH「...なんか飲む？俺が奢ってあげる」


「だ、大丈夫です！」


TH「飲まないて選択肢無いから。ほら、早く決めて」




どうしてお前絡みになると

思った事を素直に伝える事ができないんだろう？



少し困ったような顔をした後



「じゃあ..これがいいです」



指差したのはリンゴジュース。




TH「おっけ、出血大サービスな」


「出血大サービス..」




俺の言葉に



初めて君が笑った





「ありがとうございます、美味しく頂きます」





初めて俺に向けられた笑顔




胸が苦しくなるくらい




凄く綺麗だと感じた





TH「..戻ろっか」


「そうですね」




今までじゃありえないくらい普通に会話できてる




こんな小さな事が嬉しいと感じるなんて

俺、相当やられてるかも。

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