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「おねーちゃんどっか行っちゃうの!?」

「そんなの嫌だ!僕達とずっと一緒にいるよね!?」

「おねーちゃんと離れたくないよぉ!」


少女は訳が分からず去った二人の後ろ姿を,影が見えなくなっても眺めていた。盗んで怒られるどころかそのスキルに惚れたとまで言われたのだ。呆然とする少女の耳に弟妹の声が聞こえてくる。弟妹の泣き声に少女は我に返った。


「大丈夫,大丈夫だよ。姉ちゃん何処にも行かないから。皆と一緒に居るから。」


泣きじゃくる弟妹を抱き締めながら言い聞かせるように少女は穏やかな声で述べる。

______こんな小さな子達を残して何て行けない。そうでなくても唯一の家族なのに。

あの逃げ出した時から少女にとっての家族は弟妹達だけで弟妹達の家族も少女だけであった。少女には弟妹幸せが全てだった。故にカラ松の話を聞く気など毛頭無かった。


「ほらほら,お腹空いたでしょ?ちょっと待ってて」


泣きじゃくる弟妹をあやし行ってきますと少女は弟妹の元を離れる。弟妹が元気で,幸せに生きていく事が少女の唯一の願い。然しこんな路地裏では出来ることも限られ病気も掛かりやすくなってしまう。


「…何処か虐め無いような人に引き取って貰えたら,何て…。」


常々思っていた事ではあった。食事も冷たく硬いものばかり。それがあの人達に何とかして貰えるのなら。少女には出来ない事だが,マフィアではある彼らにとってはそれくらい造作もない事であろう。少女の呟きは商店街の賑わう声に掻き消された。


「今日も,上手く行きますように。」


手を胸の前で合わせ願う少女は「よし」と小さく息を吐き商店街の人混みへと消えていった。

八→←六



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水無瀬(プロフ) - ペコまる。さん» はじめまして。有難う御座います。一応年齢設定としましてはおそ松達は20代前半,夢主は16~17辺りのつもりで書いておりますが,何せ栄養不足の発育が悪い状態ですので少女表記にしております。 (2019年9月8日 21時) (レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)
ペコまる。 - とっても面白いです!ところで何歳くらいの設定ですか? (2019年9月8日 18時) (レス) id: efabf24793 (このIDを非表示/違反報告)
水無瀬(プロフ) - 紅夜の黒猫さん» はじめまして。有難う御座います。楽しんで頂けたのでしたら幸いです。とても励みになります,頑張ります。 (2019年8月8日 21時) (レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)
紅夜の黒猫 - 水無瀬さん» はじめまして。作品読ませてもらいました。とても面白いです。設定といい、内容といい、よくできてますね!続き楽しみにしています (2019年8月6日 15時) (レス) id: 49d4392d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無瀬(プロフ) - 暇人さん» はじめまして。有難う御座います。とても励みになります。楽しんで頂けたのでしたら嬉しいです。この先も作者の妄想にお付き合い頂けましたら幸いです。 (2019年7月16日 8時) (レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水無瀬 | 作成日時:2019年7月14日 2時

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