伍 ページ6
「にーさん!俺に何か用〜!?」
「わっせわっせどぅーん!!」と大きな声と何かにぶつかった___否,破壊した様な物音をたてながら現れたのは松野十四松。黄色のシャツを来た男だ。彼が現れたカラ松の部屋の扉は無残にもボロボロになっていた。扉はボロボロだと言うのに十四松はどうした事か怪我一つしていなかった。
______また壊されてしまった。嗚呼,チョロ松に怒られてしまう。
そうは思いながらも滅多に兄弟に対して怒らないのが松野カラ松という男。おそ松という例外も居るが,弟に対してはどんな理不尽な扱いを受けようとも怒ったことは一度も無かった。
「駄目じゃ無いか十四まぁ〜つ?またチョロ松に怒られてしまうぞ〜?」
「あっ!そうだった!」
ノンノンと人差し指を揺らすカラ松にハッとしたように猫目になる十四松。
「次からは静かに,扉を開けて入ろうな?」
「あい!」
このやり取りはこれで何度目だろうか。十四松がカラ松の部屋に来る際は必ずと言っていい程行っているやり取り。十四松は元気に頷いた。
「そんでカラ松兄さん。俺に用って何ー?」
「嗚呼,そうだった。この布の匂いの女の子探れたりするか?」
伸びたシャツの袖を口元にあて,こてんと首を傾げる十四松。そうだそれが本題だったとカラ松は自分の机の引き出しから,先日怪我の箇所に巻かれた襤褸の切れ端を取り出し十四松に渡す。
路地裏は広く一人の少女を探すのでは時間も身体も幾つあっても足りない。チョロ松か誰かからの助言であろうか,カラ松は嗅覚と身体能力の優れた十四松に頼る事にした。
「んーとね…出来るよ!まだ匂い残ってる!」
「そうか,良かった。なら明日カラ松girlを探すのを手伝ってくれ」
「いーよ!やきう付き合ってくれたらね!!」
「嗚呼!幾らでも付き合うさ,brother!」
もう外も暗く時間も遅いから捜索は明日と提案すると快く引き受けた十四松を見て嬉しそうに笑うカラ松。和やかな空気が流れる。
「じゃあ兄さん!やきうしよ!!」
「えっ,今からか十四松!?」
「ぃよいっしょー!」
「ホワァイ十四まぁつ!?何故俺を担ぐんだ!?降ろせ十四まぁつ!!」
「いっくよー!兄さん!!」
「待ってくれ十四まぁああああああ!!」
流石ファミリー二番目の怪力とでも言うべきであろうか。「やっきう!やっきう!」とノリノリで軽々とカラ松を担ぐとカラ松の制止の声も聞かずにカラ松の部屋を飛び出していった。
この後めちゃくちゃやきうした。
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水無瀬(プロフ) - ペコまる。さん» はじめまして。有難う御座います。一応年齢設定としましてはおそ松達は20代前半,夢主は16~17辺りのつもりで書いておりますが,何せ栄養不足の発育が悪い状態ですので少女表記にしております。 (2019年9月8日 21時) (レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)
ペコまる。 - とっても面白いです!ところで何歳くらいの設定ですか? (2019年9月8日 18時) (レス) id: efabf24793 (このIDを非表示/違反報告)
水無瀬(プロフ) - 紅夜の黒猫さん» はじめまして。有難う御座います。楽しんで頂けたのでしたら幸いです。とても励みになります,頑張ります。 (2019年8月8日 21時) (レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)
紅夜の黒猫 - 水無瀬さん» はじめまして。作品読ませてもらいました。とても面白いです。設定といい、内容といい、よくできてますね!続き楽しみにしています (2019年8月6日 15時) (レス) id: 49d4392d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無瀬(プロフ) - 暇人さん» はじめまして。有難う御座います。とても励みになります。楽しんで頂けたのでしたら嬉しいです。この先も作者の妄想にお付き合い頂けましたら幸いです。 (2019年7月16日 8時) (レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無瀬 | 作成日時:2019年7月14日 2時