拾四 ページ15
「準備は出来たか?girl」
「…はい。」
あの取引から数日後,少女は再びピーノファミリーのアジトへ来ていた。
あの後,すっかり元気になった弟を連れ路地裏に戻れば何処へ行ってたのと泣き叫ぶ4人の弟妹に少女は心を傷めるも,少女は「優しい人の所で治してもらってた。今度その人達の所へ御礼しに行ってくる」と嘘を重ねた。
もう会えないかもと思いながら少女は弟妹に笑顔で「行ってきます」と伝えたが,どうやら成功したら生きて帰してくれるらしい。
______元気な姿で,皆の所に帰るんだ
「綺麗になったな。さぁ行こうか。兄貴達が待っている」
「はい」
先程部屋に入って来た赤と部屋の外へ出る少女。少女は真っ赤なドレスに身を包み赤色の後ろを歩く。
______動き辛い
これから行う事を考えると少女は小さく溜息を着いた。足元まである長いドレスは今まで経験した事の無い服。耳元で揺れ動く大きめのイヤリングも項を見せる為纏められた髪の毛も少女には重たかった。
「不安か?会場までは俺が着いてるから大丈夫だからな」
「…ありがとうございます」
暗い表情をしていたのであろうか,赤はいつの間にか少女の隣を歩いており少女を心配そうに見ていた。大丈夫だと笑顔を浮かべる赤に少女の表情が和らぐ。
「今日一日,俺の事はおそ松と呼んでくれ。俺が誰かと話し出したら決行の合図だ。ターゲットは特徴的な男だから直ぐに分かるさ。」
「分かりました。…私が盗る書類を持っているのは口の大きい細身の男性,ですよね」
「That's Right!」
相変わらずのイタさを発揮する男に少女は緊張しているのか反応を見せない。
「終わったらこの無線でトド松に連絡してくれ。迎えが来る。」
赤は少女に仕事の確認をしながら部屋の扉を開けた。二人の視界に入るのは赤と同じ顔の青緑紫黄桃。
「それじゃあ,決行だ。上手くやれよ〜お前ら」
「フッ,この俺が失敗する筈」
「あー,もーそういうのいいから早く行くよ」
「本当イッタイね〜カラ松兄さんは」
「チッ,クソ松,置いてくぞ」
「カラ松にーさん早くー!」
「ちょっと待ってくれbrother!」
青が怪しげな笑顔を浮かべて決行の合図をする。格好付ける赤を横目に緑,桃,紫,黄と部屋を出て行きそれに続いて赤も部屋を出て行った。
残るは青と少女呑み。
「じゃあ,宜しくね?Aちゃん。今日1日,任務を終えるまで俺達が君の家族だ。君の兄弟を思う心,信じてるよ」
青は少女の手を取り部屋を出た。
79人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水無瀬(プロフ) - ペコまる。さん» はじめまして。有難う御座います。一応年齢設定としましてはおそ松達は20代前半,夢主は16~17辺りのつもりで書いておりますが,何せ栄養不足の発育が悪い状態ですので少女表記にしております。 (2019年9月8日 21時) (レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)
ペコまる。 - とっても面白いです!ところで何歳くらいの設定ですか? (2019年9月8日 18時) (レス) id: efabf24793 (このIDを非表示/違反報告)
水無瀬(プロフ) - 紅夜の黒猫さん» はじめまして。有難う御座います。楽しんで頂けたのでしたら幸いです。とても励みになります,頑張ります。 (2019年8月8日 21時) (レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)
紅夜の黒猫 - 水無瀬さん» はじめまして。作品読ませてもらいました。とても面白いです。設定といい、内容といい、よくできてますね!続き楽しみにしています (2019年8月6日 15時) (レス) id: 49d4392d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無瀬(プロフ) - 暇人さん» はじめまして。有難う御座います。とても励みになります。楽しんで頂けたのでしたら嬉しいです。この先も作者の妄想にお付き合い頂けましたら幸いです。 (2019年7月16日 8時) (レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水無瀬 | 作成日時:2019年7月14日 2時