【銀魂】ドSとチャイナ娘と団長さんとドーナツと…

34幕 叶うはずのない恋だったのかもしれない ページ36

神楽side


逃げてきてしまったアル……


私はさっき逃げ出したことを早くも後悔した。
次アイツにどんな顔すればいいのか分からなくなったから。

私は誰もいない河原に座り込み、顔を膝にうずめた。



「ぁぁあ"、私のバカヤロぉ！アイツに顔合わせにくくなったネぇ！！」






……でも、あの時逃げることしかできなかった。
何故か涙が出てきたんだヨ。

それで見られたくなくて、その場から早く消えたくて…。



正直…サドを好きだって姉御から気付かされた時、受け入れられなかった。
認めるのが怖かったのカモしれない。


それで否定し続けてたケド…。








結局……、

私はアイツが好きだった。



それはどれだけ否定しても、どれだけ周りから見てもきっとそうなんだ。
アイツのことが誰よりも………。




改めてそう思うと、目尻からまた涙が溢れた。
私は慌てて手の甲で拭った。


「うっ……ひっ……っ」




…ホントは期待してた。

キスする体勢にされた時、そのままして欲しかった。
「どういうつもりであんな体勢にしたのか」聞いた時、好きだからって答えて欲しかった。


だから…、アイツが「別に深い意味なんてねェよ」って答えた時…悲しかったんだ。
アイツにとって私は単なるケンカ相手。

ホントに少しも女のコとして見られてなかったんだ。


なのに……、私は勝手な期待を抱いて勝手にアイツから逃げ出した。



アイツには散々顔合わせる度、バカバカ言ってきたケド……


「バカはどっちアルカ…」


私はまた泣いた。頬からポロポロと涙が伝う。
何故か涙が止まらなかった。

もう、期待するのはやめよう。
もう、叶わない恋をするのはやめよう。

もう忘れたい。もうアイツを忘れたい……。

……そういう思いでいっぱいいっぱいにするように…。









「……っ………


……っ！………っイナ！！ …………っチャイナ！！！」









その時、聞こえないはずの声が私を呼んだ。









「……………………………サ…………………………………………ド？」

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