【銀魂】ドSとチャイナ娘と団長さんとドーナツと…

11幕　神楽と、今井信女と、骸と・・・ ページ12

〜信女ｓｉｄｅ〜
見廻組屯所を出て、マスドのドーナツを買って河原を歩いている時
右下の川辺で女の子の叫び声が聞こえた。

？)「私はどうすればイイネ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

見ると、チャイナ服の女の子が荒い息を整えながら
少し斜面になってるトコで立ち尽くしていた。
幸い周りには、私と河原で死んでるグラサンを掛けたおっさんしかいなかった。

私はつい、問答してしまった。
信)「ドーナツを食べれば、いいと思う」

私の声に反応したチャイナ服の少女は、驚いてこっちを向いた。

―――― しかし、向いた拍子に私自身も少し驚いたのだ。

そのチャイナ服の少女は、万事屋のトコの

たしか、神楽・・・だっけ？

神)「信女っ!?」



なんやかんやでいつの間にか、私は神楽と一緒にドーナツを食べていた。
そして、こんな事を訊かれた。

神)「信女は男ってなんだと思うネ？」


オトコ？
・・・あ、男か。

そんな事考えたことなかった。ただ、男と女という性別があるっていう感覚しか。

でも、しいて言えば


信)「無粋な生き物。特に何考えてるか分からない。てか分かりたくないカモ」

不思議とスラスラ出た言葉。
“私”はこう思ってるんだ。

時々私は“自分”という者、“人”という者がわからなくなるのだ。
最近すごく思う。

幼い時も・・・あの人と会って、おかしくなってしまった時がある。
　

『人間は自由な生き物だ。


どんなにねじ曲がっても、縛られていても、必ずまた翼を広げて前を向いて歩くことができる。


それ以上に支えあえる友がいれば、何度だって諦めずにもう一人の自分と・・・

不死の闇から、抗うことができる。


だからあなたもどうか、見失わないで下さい。

きっと暗闇の向こうには、あなたを待つ光があることを。

そして、見つけてください。


あなたの守るべきその光を。』



その時から“私”という者は感情を持つようになった。
喜び、怒り、悲しみ、嫌悪、怯え、楽しみ、幸せ・・・・・・


それがあるから今の私、『今井信女』がある。
それがあるから見廻組副長でいられる。
それがあるから・・・異三郎や隊士達、今こうやって一緒にドーナツを
食べてくれる光(ひと)がいる。


ホントに私は・・・



信)「私(ヒト)って・・・、分からない生き物よね。
骸(私)も・・・・・・時々分からなくなる」




―――― 一瞬、昔の“私”が神楽に・・・いや、『今井信女』にも伝え鳴いた。

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