「酔った勢いでとか良くないと思う」 ページ5
「ただいまー……？」
いつも通りバイトを終えて帰宅すると、いつも静まり返っているはずの我が家は、見たことない賑わいに包まれていた。
時刻は11時を過ぎている。
こんな時間にみんなが揃って起きてるなんて珍しい。
なんだか若干嫌な予感がして、恐る恐るダイニングに足を踏み入れたら。
佐「おっっ！！ Aが帰ってきたぞーー！」
深「フゥーーーー！！」
テーブルの上にはお酒の缶やらビンが散らばってて、ソファーでは照と阿部ちゃんが真っ赤な顔で折り重なるようになって眠っている。
渡「痛い痛い！」
だてさんも見たことない変なテンションで、翔太の肩らへんをバシバシ容赦無く叩いてて。
「なんだこれ！ めんどくさそう！！」
全員酔っ払ってやがる！
深「翔太！ いけ！！」
佐「俺のターン、ドロー！ いけ翔太！ ダイレクトアタックだ！」
よくわからないけどみんなして翔太をせきたてて、だてさんが翔太の脇を抱えるようにして立たせる。
渡「Aじゃん」
「………うん、ただいま」
無理やり立たせられた翔太は。
真っ赤な顔。うっすらしかあいてないうつろな目。フラついて覚束ない足元。
うっわぁ。見事に酔ってる。
こんな翔太は初めて見る。
翔太はパタパタと数歩、あたしの元へ近づいてきて。
あと一歩、ってところで止まった。
渡「…………えっと、A」
「…なに？」
真っ赤な顔。視線があっちこっちに行ったり来たり。
渡「……あー、えっと……」
なにか、口ごもってる。言いたいことでもあるんだろうか。
後ろではふっかと佐久間が抱き合って、固唾を飲んで見守っているような感じ。
ええ、一体何を言われるの？
ちょっとだけ怖くなる。
と、いきなり翔太がバッと3人を振り返った。
深「こっちじゃないだろ！」
佐「大丈夫だから！ いけるよ！」
宮「…………」
だてさんは優しく微笑んで頷いた。聖母かな？
……なに？ 疎外感。3人の様子からしてたぶん悪いことじゃないんだろうとは思うけど……。
3人の反応を受けて、翔太はすうっと軽く深呼吸して、真っ赤に火照った顔であたしを見つめなおした。
その目がとろんとしているのに真剣で、ドキリとした。
「酔った勢いでとか良くないと思う」→←「ただいま」「おかえり」
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kmgapsy03(プロフ) - 読ませていただきました！はじめまして！ここやまで感情移入して最後まで一気に読んだのは初めてです。もし機会があればまた番外編お願い致します！素敵な作品ありがとうございました！ (2021年5月1日 9時) (
レス) id: 70d4c7f329 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 初めまして！とっても素敵なお話ありがとございました！気付いたらシリーズ全話を読み切って、最後のシーンは感情移入しすぎて涙が出てくる程でした。笑これからも作品楽しみにしています！ (2020年5月11日 10時) (レス) id: 509ae5e169 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - リアル大学生って感じすごいするし、恋してる時の表現もリアルだし、もう！ホントのホントに面白かったです！！岩本照オチでも作って欲しいです！！是非よろしくお願いします！！！あなたの書く岩本照がタイプすぎました！ (2020年5月7日 6時) (レス) id: ab04fd4402 (このIDを非表示/違反報告)
ハイプ(プロフ) - はじめまして！占ツクで色んなお話を読んできたけど、1番きゅんきゅんしたお話でした！！もしよかったら、本当にもしよかったら続きを書いて欲しいです。それか新作が読みたいです。図々しいかもしれないけど、本当に大好きなお話なので待ってます！！ (2020年3月29日 23時) (レス) id: e01e06ee05 (このIDを非表示/違反報告)
N(プロフ) - ふっかの存在感が好きです！！ (2020年3月27日 4時) (レス) id: cdeb7d33d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2019年11月13日 23時
