「お前、俺に隠してることあるよな」 ページ17
次に違和感を感じたのは、あの一件の翌日のことだった。
いつもより少しだけ遅い時間に、いつもと変わらぬ様子でAは帰ってきた。
渡「遅くね？」
「ちょっと友達としゃべってたら長引いちゃって」
手洗いを済ませて食卓に合流したAは、俺の顔を堂々と見つめて言う。
あれ、女って嘘つく時目を見るって、どっかで読んだっけ。それとも俺の勘違い？ どちらにしろ信憑性はない。
今日もまた、やたらとスマホを気にしているのは変わらない。
Aは食事を終えると、一旦部屋に戻って、すぐに出てきたと思ったら風呂場へ引っ込んだ。
ダメだ。なにもかも、変に感じる。
いつもだったら食後のコーヒーを一緒に飲むだろ。その時間が好きって言ってた。
居間でテレビ見て、遅くまで風呂に入らなくて、めんどくさがって、みんなが寝る頃になってやっと入るだろ。
だからリビングでお前が風呂から出てくるのを待ってれば、2人だけの時間が作れるって、いつもそうやってさりげなく2人の時間を作ってきた。
な？ そうだよな。
一旦部屋に戻ったのは？
着替えを取りに行っただけじゃない。
スマホを部屋に置いてきたんだよな。
いつもそこらに放っておいて、スマホどこ置いたっけー！って探し回ってるくせに。
Aが風呂に入ってる間にリビングから人が消えて、なにやら分厚くて難しそうな本を読む阿部と俺だけが取り残された。
Aが戻ってきたのはそれから数十分後だった。
ソファーに座る俺の後ろをすり抜けてリビングへ。水のペットボトルを持って、そのまま自室へ向かおうとする。
渡「……おい！」
そのままあまりにも自然にドアノブに手をかけたから、思わず強い声が出てしまった。
Aがハッとして振り返る。
「………え、なに、？」
渡「もう寝んの？」
「うん、今日は早く寝ようと思って」
渡「………そか、おやすみ」
「……おやすみ」
ここに俺がいるのに、『おやすみ』の挨拶も忘れて部屋に行こうとすんの？
やっぱり些細なことだけど、気になってしょうがない。
なあ、こんなこと思いたくないけど。
お前、俺に何か隠してる？
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kmgapsy03(プロフ) - 読ませていただきました！はじめまして！ここやまで感情移入して最後まで一気に読んだのは初めてです。もし機会があればまた番外編お願い致します！素敵な作品ありがとうございました！ (2021年5月1日 9時) (
レス) id: 70d4c7f329 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 初めまして！とっても素敵なお話ありがとございました！気付いたらシリーズ全話を読み切って、最後のシーンは感情移入しすぎて涙が出てくる程でした。笑これからも作品楽しみにしています！ (2020年5月11日 10時) (レス) id: 509ae5e169 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - リアル大学生って感じすごいするし、恋してる時の表現もリアルだし、もう！ホントのホントに面白かったです！！岩本照オチでも作って欲しいです！！是非よろしくお願いします！！！あなたの書く岩本照がタイプすぎました！ (2020年5月7日 6時) (レス) id: ab04fd4402 (このIDを非表示/違反報告)
ハイプ(プロフ) - はじめまして！占ツクで色んなお話を読んできたけど、1番きゅんきゅんしたお話でした！！もしよかったら、本当にもしよかったら続きを書いて欲しいです。それか新作が読みたいです。図々しいかもしれないけど、本当に大好きなお話なので待ってます！！ (2020年3月29日 23時) (レス) id: e01e06ee05 (このIDを非表示/違反報告)
N(プロフ) - ふっかの存在感が好きです！！ (2020年3月27日 4時) (レス) id: cdeb7d33d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2019年11月13日 23時
