沖田さんが拾ってきたのは男性恐怖症の女の子？！ part3 (ページ28)

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*沖田side

「お疲れ様です沖田さん！！！」

ぱたぱたとこちら側に向かってきたAに、
ソファの隣をポンポン叩くとちょこんと腰をかけた。

裏方とはいえ、いつもとは違う華やかな着物を着てるこいつを見て柄にもなく胸が高鳴る。

じっと見つめているとAは「あ」と声を漏らして顔を引きつらせた。

「変ですよね～着物。折角お借りできたんですけどお妙さんみたいに着こなせなくて」

へへへ。と苦笑いするAを見て「ガキにはまだ早いってことでさァ」と憎まれ口を叩いてしまう。

そういうとAはさらにしょぼーんと効果音がつきそうなくらい分かりやすく落ち込んだ。

「Aちゃん！お迎えも来たことだしもう上がって大丈夫よ！！」

姉御がAに駆け寄って微笑みかける。

「かしこまりました！ちょっと着替えてきますね！」

そう言って奥に小走りで向かって行ったAの後ろ姿を見ていると、

バコーーーーン！！！！！！

と頭をど突かれた。

「いってぇ...」

「全く！そんな憎まれ口ばっかり言って！！！いつか愛想つかされても知りませんからね！」

姉御が眉間に皺を寄せて俺にいう。
頭痛ぇなぁ...割れるかと思った...

姉御は言うことだけ言うと仕事に戻って行った。

それと入れちがうタイミングでAはパタパタと戻ってきた。
あいつ常に急いでんな。

「お待たせしました！帰りましょう沖田さん！」

そう言って見慣れた格好で微笑みかけるAもまた可愛くて「へいへい」とてきとうに返事をしてAの前を歩いた。

**

「お妙さんったらおじさんの腕を反対方向に捻っちゃうんですよ～～」

ニコニコしながら恐ろしいことを言っているがAは仕事が余程楽しかったのかいろんな話をする。

「みなさんが本当に綺麗で目の保養でした～。通う男性の気持ちが少しわかります」

「お前は誰の気持ちに寄り添ってんでさァ。そんなもんわからなくていい」

そう言って隣にいる低めの頭を軽くチョップする

「えへへへへ...」

そう言って笑うAの表情がほんの少し寂しげで姉御に言われた言葉がよぎった。

「...Aも似合ってたじゃねーかィ」

そう言うとAは凄い勢いでこっちをみて目を丸くした。

「え！？気を使わなくていいんですよ！？」

「うるせぇ素直に受け取っとけ」

照れ隠しも兼ねてこいつの頭をぐしゃぐしゃとすると

Aは頬を少し赤くしながら微笑んだ。