沖田さんが拾ってきたのは男性恐怖症の女の子？！ part3 (ページ17)

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起床ページ17

「...っん...」

「A！！」

私は目を開けると、目の前には眩しい太陽のような髪の色をした愛しくて、大好きな沖田さんが私を見ていた。

「沖田さん.....っいた！」

起き上がろうとすると頭に激痛が走り手で頭を押さえる。

「急に動くんじゃねェ」

無愛想な声とキツイ言葉とは裏腹に、優しく私の背中を支えて座らせてくれた。

「A、俺の質問に答えてくだせェ」

私がコクンと頷くと、沖田さんは少し緊張したような顔持ちで質問を始めた。

「俺の名前は？」

「沖田総悟さんです」

「お前の仕事は？」

「新選組の女中です」

「お前の仲間は？」

「新選組の皆さんと、万事屋の皆さんもですね。あと、お世話になったお妙さんや一緒にお仕事をしたお通ちゃんも！」

そこまでいうと、沖田さんは瞳を揺らしながら

「...お前の、彼氏は？」

と、聞いた。

「沖田さんです」

そういうと沖田さんは思いっきり私を抱きしめた。

その腕は少し震えていて、彼をどこまで不安にさせていたのかがすぐにわかった。

「......遅すぎるんでさァ。」

「すみません。お待たせしました」

私はそう言って彼の背中をポンポンと子供をあやすように撫でた。

以前だったらブチ切れられてそうだけど、こんなこともおとなしく受け入れてくれる沖田さんが愛おしくてたまらなかった。

「全部、覚えてますよ。ご心配おかけしました」

私がそういうと沖田さんはまたぎゅーっと腕に力を込めた。
彼は一言も話さなかったので、私は彼を撫でながら口を開いた。

「私、記憶なくしてる時も、頭の中にずっと沖田さんがいたんです。沖田さんとの関係も出会いも、記憶から消えてたのに。」

彼は話を聞いているのか何も言わなかった。

「結局、また沖田さんのことを好きになってました。言い逃げみたいになっちゃいましたけど、やっぱり私は沖田さんが好きです」

そういうと沖田さんは「うるせぇクソ犬」と、憎まれ口を叩いていたが、その声は微かに震えていて、とても優しい声だった。