沖田さんが拾ってきたのは男性恐怖症の女の子？！ part3 (ページ1)

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違和感ページ1

@総悟side

時間は夕飯の時間が近づいていた。
ただ、いつもなら夕飯の支度をしているはずのAがいないのだ。

「Aちゃん、どうしたんだろうな」

近藤さんが心配そうな声を上げる。

「ちょっと見て来まさァ」

そう言って、俺はAの部屋に向かった。

**

コンコンと雑にノックをして返事の有無を問わずに襖を開ける。

すると、

「...Aっ！！？？？？おい！！！？？？？」

そこにはぐでっと倒れているAがいた。
ちらっと隣をみるとそこには蓋の空いた液体が転がっていた。なんだこれ...薬...？？？

なんだかそれを見るとくらっと体に違和感を感じ、その薬に自分の上着をかける。

そして、Aを抱き上げ近藤さん達の元へ向かおうとした時、Aがぱちっとでかい目を開いた。

「Aっ...！！！？？？どうした？！」

俺が声を荒げるとAはビクッと肩を揺らして

「きゃぁぁぁぁ！！！！！！！！！！」

と叫んだ。

その目には涙が浮かんでいた。

「...は？」

俺が呆然として手の力か緩んだ隙にAは俺の腕から抜け出し、

「ど、どこですかここ...誰ですか...」

と、弱々しい声で言った。

**

「記憶障害...？」

「そうそう。記憶が全て無いわけではありませんが、記憶の一部だけ抜け落ちてしまってますね。ただ、少し不自然で、抜け落ちたっていうよりは一部分の大切な記憶だけ無理やり眠らされてるような感じなんです。何か薬かなにかを使用されていた事はありませんでしたか？」

「薬...」

医者のジジイは俺に向かって長々と話す。

薬...といわれ、Aの部屋にあった液体を思い出す。
Aは屯所では男が近づくと泣くわ叫ぶわで、
周りで唯一の面識のある女のチャイナを読んだ。
こいつの力を借りるのは不本意だが今は仕方ない。

「...何かのきっかけで記憶が戻る事はあると思いますよ。保証はできませんが。その薬に心当たりがあるなら触らない方がいいでしょう」

**

医者の説明を聞き終えてチャイナとAの元に行くとAはあからさまに俺を見て身構えた。

「チャイナ。今日一晩だけでもそいつ匿ってくれねぇか。」

「さっき新八が姉御に連絡とってくれたネ。今日はAと姉御の家に泊まるネ。新八が万事屋に泊まるから男もいないしAも安心ネ。」

そう言ってわらうチャイナ。

「すぐに迎えにいきまさァ」

そう言って震えるAから背を向けて屯所に向かった。