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Tatsuya




「苦しいなぁ……」





背中を擦ってるだけで心臓がバクバクしてるのが伝わってくる。



軽度ではあるけど不整脈が中々治まらなくて、翔太の鼓動は遅くなったり早くなったり。





昨日からダラダラ続くそれは、落ち着いて眠る事すら許してくれず、



ただでさえ少ない翔太の体力を容赦なく奪っていく。





でももうやれることは全部やってるから、ここからどうなるかは翔太の生命力次第。





阿「翔太、今入れられるお薬は入れてるから。しんどいけど頑張って…。」





阿部ちゃんが声かけても、小さく頷くので精一杯。






眠気が胸痛に勝ってうとうとしてるのか、意識が飛びそうになってるのか分からないけど、



どっちみち苦しそうなことには変わりが無くて、



勤務時間ギリギリになるまで、翔太の背中を擦っていた。








.







翔「ハァ、、、ハァ、、、ハァ、、、、ッ………。」




康「しょった!?」


ラ「え、翔太君!?」


阿「翔太!危ない‼‼」




そろそろ仕事に行かなきゃいけない頃、翔太の呼吸の荒さが増して、間隔が開いていく。



阿部ちゃんがすぐに気づいて酸素量調整してくれたから、


もう少し落ち着いたら仕事に行こうと思ってた時だった。




顔が一瞬歪んだと思ったら、すぐに体から力が抜けて、



グタっと横に崩れて、前傾姿勢のまま反対側に座ってた康二の方に倒れこんだ翔太。




阿部ちゃんが咄嗟に腕を引いてくれて、康二が間一髪の所で落ちる前に受け止めて、


ギリギリベッドからの転落は回避。



頭打ったりしなくて一安心だけど、


翔太の状態は決して良いものでは無い。







阿「翔太〜聞こえる?目開けれるかな??聞こえたら手握って、しんどいけど頑張るよ。」




すぐにリクライニングを下ろしたベッドにぐったりした翔太を寝かせて、


阿部ちゃんが強めに肩を叩きながら話しかけるけど反応が無い。




意識飛ばしちゃったか………。





阿「康二、一応挿管準備。昇圧剤も。翔太、しっかりするよ。目開けてー!」





このまま状態が悪化したら、心停止に直結する危険な状態。



病室に緊張が走る。





「翔太、もうちょっと頑張って。」




周りでバタバタ動いてくれる皆を手伝いながら、




何とか意識が戻る様に、声をかけ続けた。

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作者名:りる | 作成日時:2021年7月11日 19時

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