Snow brothers. (ページ8)

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支えの手ページ8

Tatsuya

ラ「おはようございます！あの～」

出勤して一番に声をかけて来たのは、新人看護師のラウール。

若くてぴちぴちでキュルキュルしてて、家の弟達に負けない位可愛い。

ラ「翔太君、昨日全然眠れてないみたいで…。」

そんなラウールから朝一で告げられたのは、今入院してる翔太の事。

昨日朝は元気で普通に学校行ってたのに、夜になって急に胸が苦しいって言いだして…

慌てて聴診したら心音も呼吸音も最悪レベル。

発作に繋がる前に照の運転で急いで病院にUターンしたら、そのまま即入院になった。

家の人は隠すことが多いから、自分から言ってきた時点で結構なことになってることも多くて…

今回もよくここまで黙ってたねって状態に、皆苦笑い。

翔太の場合は特に少しの遅れが命取りになるから、隠すなっていっつも言ってんのに。

まぁ最近学校行ける日多くて楽しかったんだろうな。

留年が決まった頃は中々心が追い付かなくて、

翔太自身も、先に卒業することになった涼太も、周りの俺達も、皆皆苦しかった。

その時のことを思うと友達に恵まれて学校行きたいって思えるようになったことは、

ほんとに嬉しいし、喜ばしいこと。

でもそれが無理して良い理由にはならない。

後で辛くなっちゃうのは翔太だし、

兄弟の誰かが辛い思いをするのは、家族皆にとっても辛いことだからね。

元々朝一で様子は見に行くつもりだったから、

点滴の交換行きます！ってラウールと一緒に、翔太の病室へ。

眠れてないっていうのは心配だけど、だからこそ昨日の内に連れてきて良かった。

ラ「発作は起きて無いんですけど、鈍痛と息苦しさが酷いみたいで…。」

話を聞けばやっぱり辛そうな姿に気が滅入る。

弟が苦しんでるとこなんて出来ることなら見たくない。

もっと早く気づいてあげれば良かったなぁって少しの後悔を感じつつ、

翔太のいつもの病室の扉を引いた。