Snow brothers. (ページ47)

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Daisuke

辰「……んぅ、、、んん…」

「起きた……?帰ろっか。」

寝起きすぐでまだぽやぽや。

俺がいることも多分見えていないけど、声で分かってくれてるかな。

靴を履かせて荷物持ってって準備してあげて、

伸ばして来た手をそっと握って2人で夜の病院を歩き出す。

「そこ段差あるから。気を付けて。」

辰「ん。ありがと。」

傍から見たら男2人手繋いで歩いてるのなんて変なのかもしれないけど、

足元見えないの危ないから。

ゆっくりゆっくり歩幅を合わせて、車まで歩いた。

.

着くまで寝てて良いよって言ったら、すぐに瞼が落ちていって、

駐車場出る頃にはすっかり夢の中。

医者ってきっと大変な職業だろうし、最近ほんとに忙しそうだったから、

少しでも休めたら良いけど。

家にいても誰かしらが体調悪くなると辰哉が看病してくれてるし、

翔太とかに夜通し付き添ってくれることも。

だから中々休めなかったりするんだよね。

父ちゃんと母ちゃんを早くに亡くしてからずっと家の親代わりで、

毎日頑張り過ぎる位に頑張ってる。

でもほんとはそんなに体強い訳じゃなくて、低血圧とか偏頭痛体質だし、

目のことだって日常生活にはギリ支障無いレベルらしいけど、

眼鏡かけてても普通の人より視力は悪い。

内科医ならなれるからって家族の為にって努力して医学部入って、

今皆のこと守ってくれてるけど、

ここまで来るのだって、俺達にあんまり見せてないだけで凄く大変だったはず。

目悪い人は沢山いるからこそ、

眼鏡かけてても近くないと見えないってこと。

あんまり理解して貰えないこともあって、

きっと俺や涼太とは違う種類の悩みや葛藤もあったと思うんだ。

大学生の時とか、前座れなくて見えなかったって阿部ちゃんによく助けて貰ってたみたいだし、

矯正視力に届かないから免許取れないとか意外と色んな所で、周りとの差が出たり。

そんな中で頑張り続けて、医者になるって目標叶えてくれたけど、

そのせいもあってか、すっかり家族に頼ることを知らない性格に。

せめて歳が近い俺位には頼ってくれても良いのにって思うけど、

いつもいつも限界近くまで一人で頑張ってくれちゃうから。

今日位ゆっくりして俺に送られれば良いよって、

寝顔を見て思った。