Snow brothers. (ページ5)

今日:8 hit、昨日:106 hit、合計:656,765 hit

. ページ5

Tatsuya

起こしてくれる弟の声で意識が浮上する。

でも裸眼の俺の視力だと誰かは分からない。

まぁ起こしてくれるのは涼太と照位しかいないから、声的に涼太だろうな。

起こされて、朝一で涼太に聞かれるのは片割れの事。

心配な気持ちが痛いほど伝わってくるから、とりあえず大丈夫だよって言ってあげた。

まぁ、正直様子見ないと何とも言えないけどね…。

でも翔太は強いから、きっと大丈夫。

医者になって初めて翔太の病気がどれ程のものかちゃんと知った時、

翔太は本当に凄いなって思った。

ここまで生きているのが奇跡に近い状態。

小さい頃から何度も大きい発作を起こして、その度に生死の境をさまよって…

心肺停止で危険な状態になったのだって、一度や二度じゃない。

でも翔太はその度に絶対戻ってきてくれた。

今だって命の危険が無い訳じゃないけど、

調子の良い日は学校にも行けている。

入院することも多いけど、皆で協力しながら助け合って、

いつまでも笑っていられればそれが幸せ。

だから、翔太は生きててくれれば良いよって、

精一杯息してる姿を見て、毎日思ってる。

.

「翔太ぁ、起きれそう？お薬飲みたいから一回起きようか。」

翔「んぅ……んん。」

低血圧も相まって寝起きが最悪なのはいつものこと。

涼太でも毎回手を焼いてるからね。

とりあえずむにゃむにゃ言いながらまだ起きてない翔太の胸に聴診器を滑り込ませて、心音の確認。

大きな手術痕が目立つ胸は痛々しくもあるけど、紛れもない翔太が頑張った証。

聞こえてくる心音は健常者とは少し違うけど、昨日よりは大分マシになってて一安心。

翔「ッハァ……辰兄？」

「うん、どう？どっか痛いとこある??」

翔「痛く、ない、大丈夫。」

翔太に限らず、家の人達は心配かけないように隠すことも多いからあんまり大丈夫は信用できないけど…

痛みはなさそうだし、息切れも殆ど治まってるから今日ゆっくりしてれば大丈夫そうかな。

昨日はもっと辛そうで、俺も心配で夜通し隣にいたくらいだったから治ってきて良かった。

「ちょっとだるそうだけど、昨日より大丈夫そうだね。照居るから何かあったら呼んで。」

ずっと居てあげたいけど、そろそろ俺も準備しないと。

照や大介がよく家にいてくれてほんと助かってる。