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Ren
翔太君に試合行くから協力して欲しいって言われた時は、正直めちゃくちゃびっくりした。
病院抜けだしちゃいけないのなんて勿論当たり前に分かってたし、
本気でやったらマジで怒られるんだろうなって。
でも翔太君が来てくれるのが嬉しかったのも事実。
初レギュラーだって人生で一回しかないし、
我儘言っちゃダメだけど、やっぱりどうしても誰かには来て欲しかったから、
一瞬考えて、翔太君の作戦に乗ることにした。
当日の体調だってそんなに悪そうには見えなかったし、翔太君も大丈夫って言ってるし。
怒られるのも2人でだったら後々良い思い出になるかもなんて甘い考えで、
入院中の翔太君を無断で連れ出した。
俺の為に我慢してくれてたことなんて、一切気づかなかったんだ。
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試合中はとにかく必死だったからあんま覚えて無いけど、
すっごい楽しかった。
翔太君の方チラチラ見てたら、応援してくれてるのが分かって尚更気合が入って。
シュートの調子も良くって、結構チームに貢献出来たし、
何より、俺が決める度に翔太君が喜んでくれたのが嬉しかった。
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試合はいい勝負だったけど、最後に俺が決めた一本が活きて無事に勝利。
最後の方は必死過ぎて翔太君の方全然見て無かったけど、
きっととびっきりの笑顔で喜んでくれてんだろうなっって思って、
俺も試合終了の勢いそのまま、満面の笑みでガッツポーズして振り返ったら、
飛び込んできたのは予想外の光景。
「えっ………」
丁度、左胸を抑えた翔太君が、その場に崩れ落ちていく所。
一瞬理解できなくてスローモーションみたいに見えてたけど、
あれは間違いなく翔太君。
やばいと思って観客席に走って、倒れてる翔太君に駆け寄って声かけた時にはもう返事が無くて。
ただただ胸を抑えて荒い呼吸を繰り返すだけ。
そこまで来て初めて、自分がした事の重大さを理解した。
どんだけ危ないことしてたか思い知らされたし、
もしこのまま最悪なことになったらって、恐くて涙が止まらなくて。
苦しみ続ける翔太君に何にも出来ないまま、泣き続けてた時、
阿「っ翔太、翔太分かる?聞こえる??」
何故か来てくれた、阿部先生。
びっくりしたけど、もうこの際何でかなんてどうでもいいから、
とにかく翔太君を助けてって。
泣きながら必死にお願いした。
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作者名：りる | 作成日時：2021年7月11日 19時
