Snow brothers. (ページ23)

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Tatsuya

蓮が急にボロボロ泣き出して、兄ちゃん達皆びっくり。

何の涙が本人も分かってないみたいだけど、ずっと思い詰めてたのが少しスッキリしたかな。

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極論、生きてさえいてくれれば良いって、それは常に弟達に思ってること。

どんな形でも、皆が生きてるのが俺の幸せだから。

蓮もこの先ハンデを背負うことになって、

思い通りに出来なかったり、人の支えが必要なこともきっとある。

全部をすぐに受け入れろとは言わないし、

時間がかかっても受け入れられないこともあるかもしれない。

悩んで苦しんで、どうしようもない時も来るかもしれないけど、

その時でも生きててくれれば不器用なりに支えられるから。

だから蓮も頑張って、いつかこっちでも良かったって。

そう思えるようになって欲しい。

皆の真ん中で子供みたいにワンワン泣いちゃった末っ子を見ながら、

一人でそんなことを思った。

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あれから蓮も少しづつリハビリを頑張れるようになって、

事故から1ヶ月位で退院。

何とか日常生活位には戻れて、学校にも行けるようになった。

翔太も安心したのもあってか、蓮と張り合うみたいに元気になって、

蓮からは少し遅れたけど無事家に帰って来れた。

又6人揃ったのがほんとに嬉しくて、この時間大事にしなきゃなって改めて思ったり。

蓮はまだ階段の上り下りとかお風呂とか難しいこともあるけど、

照が背負ったり、誰かと一緒に入ったりして何とか頑張ってる。

入っていたクラブチームはやっぱり辞めなきゃいけなくて、

サッカー選手になる夢は封印することになったけど、

その代わりに照の勧めで新しく始めたのが、車椅子バスケ。

家から通える範囲にチームがあって、この間体験に行った時、

どうだった?って聞いたら、

楽しかった、やりたい!って無邪気な笑顔。

又やりたいこと見つけられて良かった。

絶対サッカー選手になるって決めてた。

思い描いた未来とは違った人生。

それでも、蓮なら絶対に幸せになれる。

サッカー初めてやった時みたいな、キラキラの目で笑う蓮を見て、

そう確信した。

fin.