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Ryota
「大兄、起きて。嫁捨てるよ。」
大「ん…嫁がピンチだと!?」
「はい、おはよ。起きて下ね。」
大「涼太…？おはようでやんす！」
次男の大兄。
朝は苦手みたいだけど、嫁を捨てるって言ったらすぐ起きてくるから、起こすのは楽な方。
在宅のイラストの仕事とダンスの講師をかけ持ちでやっているから朝は家にいるけど、
今日は確か出勤日だったはず。
大兄は暑くなってきた今も、長袖長ズボンで生活してる。
肌が弱くて、何にもしないで日光に当たると火傷みたいに赤くなっちゃうんだって。
だから大兄の部屋のカーテンは他より分厚いやつになっているし、
日中出掛けるには何種類かの日焼け止めとクリームが必須。
それもあって、日が昇っている内は殆んど家にいる。
大変そうだなって思っちゃうけど、気を付ければ大丈夫！って本人は笑ってるし、
今は底抜けに明るい性格で毎日楽しそう。
.
次はちょっと大変な末っ子蓮の部屋。
「蓮起きて、遅刻するよ。」
蓮「んぅ………ん。」
モゾモゾ体を動かして起きようとしてる姿は毎日見てるけど、蓮の場合は未だに慣れないものがある。
右足の付け根の先からペタンとしてる毛布。
それを見る度未だに胸が締め付けられる。
中学生の時、蓮は事故で右足を失った。
たくさんの苦しみと葛藤を乗り越えて、また笑える位強くなってくれたけど、未だに思い出すと辛いものがある。
数年前までサッカーボールが置いてあった場所に置いてある、バスケットボール。
これも蓮が障がいを受け入れて、乗り越え様としてる証の一つ。
思い描いていた未来とは少し違うけど、変わらず大好きなことを見つけて頑張ってる。
蓮「今日翔太君学校来る？」
「うーん、まだ起こして無いから分からないけど、多分厳しいかな…。」
蓮「そっか…。」
「うん、ご飯出来てるから先食べてなね。」
朝一で義足をはめる蓮を見届けて、次は二階最後の大黒柱の部屋。
.
ガチャッと開けると、空のベッド。
何となくそんな気はしてたけど。
照「あれ、辰哉は？」
リビングに降りるといつの間にか帰ってきていた照。
一足早く三人でご飯を囲んでる。
「多分和室。今様子見てくる。」
リビングのすぐ横の和室。
最後にここにいるであろう片割れと、大黒柱を起こしに行く。
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作者名：りる | 作成日時：2021年7月11日 19時
