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Tatsuya






事故のことは大介にはその日中に伝えて、




足のことはサッカー…ってショックは受けてたけど、生きてることにとりあえず安堵してた。






双子には、翌日の空き時間に翔太の病室で二人まとめて話したんだ。






二人とも昨日いきなり出てってビックリしたし、何があったか凄く心配してたって。





蓮のこと話したらやっぱり悲しそうで…




もうサッカー出来ないじゃんって。





やっぱ皆そこなんだよな…





命が助かったのは喜ばしいけど、蓮がどれだけサッカー大好きで努力してたか皆知ってるから、




本人のショックは計り知れないけど、俺達も本当に悲しかった。









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翔「…でも良かったじゃん。ちゃんと生きてるなら。」






わざとらしい位明るいトーンで声をあげてくれた翔太。




多分気を使ってくれたんだと思う。





翔太自身病人扱いされることとか、自分のことで湿っぽくなるの嫌いだから、




多分蓮もそうだろうなって。









翔「生きてんなら大丈夫。絶対何とかなるから。」






俺も涼太も沈んで何にも言えない中、暗くならない様に話してくれる翔太は、




体は強くないけど、しっかり頼れる弟だった。







翔「他に後遺症無いんでしょ?なら元気になったら何でもできるよ。」





可哀想だけど、制限だらけの毎日を送る翔太。





多少調子の良い日はあっても、心臓が上手く動いてくれないことも多いから、




元気とは言い難い。





だからこそ、元気になったら何でもできるって翔太が言うのは重みが違くて、




前を向かせようとしてくれてるのが頼もしいなと思う反面、






自分はやれない事多い体だからって気持ちが透けて見える。





翔太には病気を理由に色んな事諦めさせちゃったからね。









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幸いなことに、蓮は左足に少し麻痺があるかもしれないけど、




リハビリすれば義足で又歩けるようになるし、






その他はちゃんと元通りに治るって言って貰えた。




若いから回復も早いはずだし、今日明日中に意識も戻るだろうって。







それでもやっぱり、サッカー選手は目指せないって事実は変わらない。




生きるためには、諦めなきゃいけなかったから。





弟達には出来るだけやりたいことを存分にやらせてあげたかったけど、




人生、そう上手くはいかないなって。





改めて痛感させられた日だった。

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作者名:りる | 作成日時:2021年7月11日 19時

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