Snow brothers. (ページ15)

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Tatsuya

医「…ただ、右足を切断させて頂きました｡」

え………

蓮は誰よりもサッカーが大好きで、

絶対サッカー選手になりたいって毎日頑張ってたのに。

まだ中学生。

これからもっと頑張っていくはずだったのに。

足切ったって…じゃあもうサッカー………

ずっと頑張ってた弟の夢が急に閉ざされるのは想像以上に辛いことで、

俺も照も俯いて何にも喋れないまま、先生が事故の状況とか蓮の容体とか色々説明してくれるのを聞いた。

.

青信号の横断歩道を自転車で渡っていた蓮。

そこに車が突っ込んできて横から衝突。

跳ねられた時に自転車のタイヤに足を巻き込まれてしまったらしく、

病院に運ばれてきた時点で、右足はもう殆んど繋がっていなかったらしい。

出血量が多すぎて、命も危うい状態。

切らなきゃ助けられなかったかもしれないと、

そうはっきり言われてしまった。

.

その後すぐ病室に案内されて会わせて貰った。

腕と頭と、見える所だけでも沢山ガーゼが貼られて包帯巻かれて、

一杯の管とコードに繋がれて、ベッドに横たわっている蓮。

朝いってきますした時から変わり果てた姿で、それだけで十分痛々しいのに、

そっと右足に目をやれば、付け根から毛布がペタンとしているのが明らかで。

ほんとに切ったんだなって。

変えられない現実が突きつけられる。

蓮にぶつかった車の運転手は運転中に心臓発作で気を失っていて、

止まることができないまま、運転席で亡くなっていたらしい。

つまり、誰も悪くない。

完全に運が悪かったとしか言えない事故。

どこにもぶつけられない、やり場の無い怒りだけが俺達の中に残って、

目を覚ました蓮が何を思うのか。

想像して苦しくなることしか出来なかった。