イライラ ページ12
・Jaemin・
イライラする。
店を飛び出してから数時間。
まだ怒りが収まらない。
「おっぱ？」
ギシッと音をたてて、腰掛けているソファが深く沈む。
「もう、スマホばっかり見てないで構ってよ」
そう言って隣りに座る人物からは女性らしい香水の匂い。
「私に会えて嬉しくないの？」
甘えた声と香水の匂いが鼻をかすめると同時に細い腕が俺の首元に絡みついた。
…不快だ。
「ごめん、今日やっぱ帰るね」
「えっ、ちょ！おっぱ！！」
絡みついた腕を解いて作り笑いを浮かべれば、訳が分からないという顔をする目の前の女。
その反応すらも不快に思えて、彼女の家を出た瞬間に連絡先を消した。
あの子どこで知り合ったっけ。
やたら連絡してきてた面倒くさい子。
何度めか分からない「会いたい」コールが来たから暇つぶしに相手してやろうかと思ったのになんだか気分が乗らなかった。
"お前が知らないだけで、どこの誰よりも魅力的だよ"
「‥なにが"魅力的"だよ」
思い出すだけで頭が痛い。
あのジェノからあんな言葉が出るなんて考えたくない。
一見優しそうに見えるけど、誰よりも冷たい男。
そんなあいつがAちゃんの気持ちに気付いてないはずがない。
ジェノは恐ろしいくらい鋭い男だ。
どんな環境にも上手く馴染んで自分の過ごしやすい立ち位置を作ることができる男。
干渉されることを嫌って、面倒ごとに巻き込まれそうになったらすぐ離れていく。
昔っからつかめない男だった。
そんなジェノにとっての面倒ごとの中にランクインしてるのが"好意を寄せられること"
ジェノが今回あえてAちゃんを俺に紹介したのだってそう。面倒ごとから逃げるため。
なのに異性との関わりを酷く嫌うあのジェノが会社を出ても珍しくAちゃんと居るから、気になってついて来てみればこのザマだ。
……ジェノヤ、一体何を考えてる？？
自分でも理解できない胸のザワザワが鬱陶しい。
"お前が知らないだけで"
その一言が何故か頭から離れない。
思い出すたび腹が立って仕方ない。
その時の、Aちゃんのジェノに向ける表情だって。
今まで沢山の女の子が俺に向けてきた表情。
Aちゃんだけが俺に見せたことのない表情を
"どこの誰よりも魅力的だよ"
誰よりも冷たいあのジェノに向けてることが
死ぬほど気に食わない。
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Botamochi(プロフ) - hkrさん» hkrさん、嬉しいコメントありがとうございます！数年ぶりの更新で緊張してたので応援コメントありがたいです！亀更新ですが頑張ります！宜しくお願いします！ (2023年3月1日 11時) (
レス) id: 0b476b15a5 (このIDを非表示/違反報告)
hkr(プロフ) - ボタモチ様のお話一通り読ませて頂きました…天才でしょうか？どのお話もおもしろすぎます、、、！！ 特にジェミンのお話が大好きです！！更新頑張ってください！応援してます♡ (2023年2月23日 23時) (レス) @page9 id: fcc5d5eeb6 (このIDを非表示/違反報告)
Botamochi(プロフ) - なな。さん» 結構色んなジャンルに挑戦してますので困惑することが多いと思いますが、お付き合いしてくださると嬉しいです！！！応援ありがとうございます！更新頑張りますね！！ (2020年5月7日 0時) (レス) id: d40f8daede (このIDを非表示/違反報告)
なな。 - なんか、この作品はギャグ線お強めですね(?)でも、この作品もキャラが濃くて面白いです笑更新頑張ってくださいねっっ！ (2020年5月6日 1時) (レス) id: d86df0fa7f (このIDを非表示/違反報告)
Botamochi(プロフ) - ウィンウィン大好きさん» ありがとうございます！！毎週水曜日に更新させて頂きますので、是非ともよろしくお願いします！ (2020年5月6日 0時) (レス) id: d40f8daede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぼたもち | 作成日時：2020年4月27日 19時
