trouble.46 記憶の狭間。 ページ48
ガタンゴトン、と電車に揺られる。
自分は横浜から離れて行く程少しずつ建物が低くなっていくのを横目で見つつ、元々居た世界の事を思い出していた。
糞みたいな仕事やってたけど、今よりちょっとはやり甲斐あったかなぁ___、
____さ、___さん、_蓮さん!
_んだよ、うっせぇな
__此れ、如何やったんです?
_こんなの、背後から蹴り飛ばして気絶させて切るだけだから
__俺みたいなしがない殺し屋では無理ですよ
_まぁ、お前まだペーペーだもんな
__蓮さんに直ぐに追い付いてみせますよ!
_それなら自分を殺せるくらいの一つや二つ投げ技身に付けて来い
__…頑張ります
_銃火器もマトモに扱えねぇもんなお前
__じゃあ、俺に教えて下さいよ、先輩
_面倒いから無理
__酷いッ
暗い色に包まれている中に、二人の長身の男が影を落としている。
片方の男の手は、真っ赤に染まったまま。
昔の、自分はこっち側だったっけ__
今となっては消し去りたい記憶も漸く曖昧になって来たが、あの手にこびり付いたら取れない感覚は、忘れられない。
嫌いだ。過去も、自分も。
『___閉まります、ドア閉まります』
アナウンスと同時にハッ、と意識が覚醒した頃には、目的地の一つ前の駅だった。
時計はまだ九時を指しており、余裕で着きそうだったので安心感を覚え携帯に視点を移す。
携帯を持っている手はさっきの昔の夢による汗で濡れていた。
早く着けと思う反面、着いて欲しくないと思う自分がいた。
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梓(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます!!これからも面白くしていけるよう精進して参ります! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 73b249ebe7 (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - とっても面白いです!応援してます! (2019年7月21日 9時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 x他1人 | 作成日時:2019年1月21日 0時