trouble.40 生理的現象。 ページ42
「…腹減ったな」
くぅーきゅるる…と柄にもなく腹が鳴る自分。報告書に加え、太宰サンの仕事をしていて文字ばかりパソコンに張り付いて見ていたらそりゃあ腹も空くわけで。
弁当なんて作る時間無かったし。…今朝あんな事があったから。
「お腹が空いたのかい?蓮君」
「…えぇ、まぁ」
太宰サンの所為で午前中の仕事が長引いてる、なんて死んでも云えない気がする。
「人間の生理的現象ですからね。従うしかありませんよね。…ッて事で金が全然無い自分に先輩の太宰サン。奢って下さい」
「…昼ご飯なら下のうずまきに行こう。勿論探偵先輩社員全員でね!」
…絶対払わない気だ、と思ったのは太宰サンを観察してきた成果だろうか?
*
うずまき。
其れは自分が転送された場所(詳しく云うとうずまきの便所)だから、少し気にかけている店だ。
入ると直ぐに、マスターの程良くブレンドされた珈琲の香りがする。腹減った。
結局太宰サンが探偵先輩社員全員に本当に来て、と呼びかけたが、全員行ったら防犯上宜しくないだとか、仕事が個人個人あるだとかで自分、太宰サン、渋々国木田サン、敦クン、賢治クン、潤クン、ナオミ、鏡花の八人で昼食を取る事となった。
「今日も変わらずお美しい貴女、どうか私と秘密のア、レ、しませんか?」
「アレとはなんだ太宰ィィ!!」
「え?国木田君知ってて云ってるよね?アレって勿論しんじ」
「あぁ分かった、分かったが最期まで云わせんぞ太宰ィィ!!」
「国木田君!漢字違うよね!?」
女給の人を口説こうとするが、頭を国木田サンに殴られる太宰サン。通常運転らしい。
周りの人達も騒いでいるにも関わらず無視している。慣れているのか。…まぁそんな事は如何でも良い。取り敢えず奢って貰えるんだから、タダで腹を満たさないと。
太宰サンに口説かれつつあった女給サンを手招きして呼ぶ。
「ご、ご注文はお決まりでしょうか?」
「…えっと、じゃあ此のオムライス一つと、オムソバ一つと、オムハヤシ一つと、オムレツ二つ、と…他に、あ、珈琲を一つ、食後にお願いします、あと…」
「ちょっ、一寸一旦待ち給え蓮君!一人でそんなにも食べれないだろう!?あと、何故卵料理ばかりなんだい!」
他の料理が可哀想だ!と叫ぶ。
いや、他の料理の気持ちなんて知らねェし、
「…食べれますよ、あと卵料理好きなんで」
未だ頼んでも良いですか?
その後、結局払う事となった太宰の財布は悲鳴を上げたと云う。
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梓(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます!!これからも面白くしていけるよう精進して参ります! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 73b249ebe7 (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - とっても面白いです!応援してます! (2019年7月21日 9時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 x他1人 | 作成日時:2019年1月21日 0時