trouble.36 隠し通す決意。 ページ38
「だから、今日から太宰の部屋に蓮を泊めろと」
「なんで?」
太宰の脳内は疑問符で一杯だ。
「_乱歩さんは社長と住んでいるし、敦も鏡花と住んでいる。谷崎も妹と住んでいる。与謝野先生と賢治は_辞めた方が身の為だろう」
「国木田君は?」
「俺は誰も部屋に入れたくない!」
そんなのだから彼女も出来ないのだよー、と太宰は云う。
その後太宰は国木田に殴られたと云う。
「…まぁ…住まさしてくれるなら何処でも良いんですけど…」
一方的に呆れる蓮であった。
____現在___
「…え?終わりですか?」
一旦終わった回想。
敦は眠そうに欠伸をしながら仮にも上司である太宰の話を聞く。
隣の鏡花も眠そうだ。
「…違うよ、今からなのだよ」
冷や汗がひたりと頬を伝う。
____再び回想___
そろそろ帰ろうと云う事で、国木田との口論(?)の末結局蓮をこれから家に泊める事にした太宰。
蓮は少し複雑な気持ちだった。
『太宰サン、勘が鋭いから…気付かれるかも』
一つ、と云うより幾つか太宰や国木田_武装探偵社の皆に隠し事をしていた。
それは、“文豪の人達の個人情報や友人関係を知っている”事である。
現世や異世界から来た事はもう太宰と乱歩は察しがついているだろう。だが、其の世界に太宰等の実在した人物が居ることは知らない筈だ。其の人物が全く関係していなくない事も。
…自分だって来て直ぐに気付いた事だから、情報には余り信用出来ない。
でも、だからこそ、この情報を信じてこのまま隠し通さなければならない。いつ死に、誰に殺されるか、そして誰かに価値を決められて仕舞うかも知れないかには__本人も、周りの人も知ってはならない事だろうから。
『…しゃーなし、頑張りますか』
心の中で決意する蓮に、不思議な感覚を覚える太宰であったが_未だ其の感覚に名前を付けることが出来なかった。
trouble.37 探究心。→←trouble.35 叫び声の先に。
74人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
【文豪ストレイドッグス】フョードル・ドストエフスキーの憂鬱
社畜の俺が太宰さんに成り代わったら大変なことになった件について、続【文スト】
もっと見る
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梓(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます!!これからも面白くしていけるよう精進して参ります! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 73b249ebe7 (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - とっても面白いです!応援してます! (2019年7月21日 9時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梓 x他1人 | 作成日時:2019年1月21日 0時