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trouble.20 確信。 ページ22

『うずまき』と云うらしい喫茶店を出て、太宰サンに連れられ今武装探偵社の入り口付近に立って居ます。

一言云わして下さい。


「…人が余り居ない…」


此れは会社なのか?と云える程に。


「あれ、本当だ。国木田くぅん、皆んな何処行っちゃったの?」


何故か国木田サンは溜息をつく。


「今日はほぼ全員調査で社を出ている。サボり魔のお前と違って皆忙しいのだ。

…お前も依頼が来ているぞ」


今の言動曰く、太宰サンは余り仕事をしないらしい。…太宰文豪の書に表すと、人間失格、と云ったところか?


国木田サンが何かの紙を太宰サンに渡した。それを覗くと、文章が手短に記されてあった。


「…ソレ、今日の依頼の紙ですか」


太宰サンが紙を見ながら嗚呼、と返事をし、パッ、と何かを思い付いた様に顔を上げた。


「そうだ国木田くん、此の子連れて行っても良いかい?」


「…は?」


何勝手に話を進めてるんだ。部外者がそんな社内機密的なもの漏らして良いのか?

と思ったが、国木田サンの返答は自分の予想の回答じゃなかった。


「ほら、だって此の子ー……」


また耳打ちをし始めた。
恐らく此奴はさっきの凶悪犯捕まえたから大丈夫、だとか話しているのだろう。

話をまた聞いて居た国木田サンは、少し迷いと驚きの表情を浮かべたが渋々、と云う様に口を開いた。


「…嗚呼、…行っても良い、が呉々も邪魔はするなよ、小僧」


「…小僧、ッて誰のことでしょう」


「お前しか居ないだろう」


小僧何て言われたこと無いぞ。
ッて云うか眼帯くんだとか小僧とか…

自分にはちゃんとした名前があるのに。

傷付く。少し…。


「そう云えば、君の名前を聞いて居なかったねえ」


「…自分もアンタ達の名前、聞いてませんけど」


すると太宰サンはクスリと笑い、そうだったね、と答えた。

そしてコホン、と太宰サンは咳払いをして、国木田サンは自分をまたジトリと見ながら云った。




「ーー私は太宰、太宰治さ」


「ーー俺は国木田独歩だ」






…今、自分は、確信した。

此の世界は、文豪達の名を持つ者が居る。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , トリップ , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます!!これからも面白くしていけるよう精進して参ります! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 73b249ebe7 (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - とっても面白いです!応援してます! (2019年7月21日 9時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2019年1月21日 0時

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