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1つの弁当に群がっていた男の中から金髪を見つけ引きずり職員室から出した。
わちゃわちゃと暴れるのを何とか宥めて目的の場所へと向かう

「折角山口センセーの弁当食ってたのに」

「流石に今井1人じゃ無茶だろ?」

「ヤダヤダーお腹空いてちゃ僕チン力出ないヨー」

「後日ラーメン奢ってやるからさ、な?」

「大盛り?」

「特盛りでもいいぜ」

「ヤッター!」

嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ三橋
谷川くんに任せろと言ってしまったからな、責任持って連れて行かねばならん

バイト始めよう、そう心に誓った

「ところでよぉー、廃工場って何処か知ってる?」

「そっかAくん転校してきたから知らないんだ」

「どーせアッコだろ」

だからそれは何処なんだ。
もう分かっている2人の後に続いて歩くと周りの景色がガラリと変わる。
世紀末なのかな?人っ子ひとりいやしない
なるほど不良の溜まり場か

シンとしたそこを3人で騒ぎながら通り抜け、高い塀の前に立つ

「ここ?」

聞けば2人して頷く
何かあったら時には絶対ここだという伊藤くん。
何回かここでやっているらしい
ゴソゴソと何かを取り出した三橋がチョイチョイと手招きする。

「直接入るのは阿呆がすることじゃ、中の様子見てから決めるぞ」

ドヤ顔で取り出したのは双眼鏡だった。
そして自分の足元を指差す

「エッ」

足場になれ、谷川に頼まれたんだろうと
ニヤリと笑った顔は楽しそうだ
うん、もうなんでもいいや

「サボテンでいい?」

「しょーがねーな、今回はそれで許しちゃる」

膝を落として覚悟を決めた。滅多くそ重い
伊藤くんが前から三橋を支えているが俺の膝は笑っている。もうプルップルよ

「重い…太もも死ぬ」

「おーおーよく見えるぜ、苦しゅうない!もう少し前〜」

「無茶言うなよ…動けるわきゃねーだろ!」

「2人とも騒ぐなよー、バレちゃうだろー」

はは、と笑った伊藤くんを全力で睨んだ
このまま三橋を投げつけてやろうかとも思ったが、当初の目的を忘れてはいけない
この何様俺様ミツハシサマの機嫌を損ねればそれこそ俺の膝は死ぬ

ジャンプとかされたらマジで逝ってしまう

「三橋、中どうなってんの」

「今井が開久の奴らに囲まれてるな、可哀想に」

「また開久か…警察が見張ってるんじゃなかったのかよ」

「トラブルメーカーだな、今井くん」

満足した三橋を下ろし、壁に手をつく
頑張ったよ俺…ガクガクしてる脚を叩いて気合いを入れ直す

さて、ここからどうするか

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作成日時:2019年10月4日 23時

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