45- みんなトモダチ編 ページ6
「クッソ暇だなぁ…佐川くん何か面白いことねーの?」
「そんな無茶振りしないでくださいよ〜!そっすね、最近通学路に駄菓子屋が出来たんすけどそこがまたエラくボロっちい造りでしてね」
無茶振りに応えて渾身の話を聞かせてくれる佐川くん。の話を左右に聞き流しながら弁当を食う。
あんまり面白くなさそうだから仕方ない
そうこうしていると何やら廊下が騒がしくなりドアが凄い音を立てて開いた。弁当に夢中になっていた奴らもお喋りしていた女子も静まり返って皆が開けた主に注目する。
そこに立っていたのは軟高ではまず見かけない真っ青な服
「Aさん!助けてください」
息も絶え絶えに汗だくの谷川くんが俺を見つけると小走りで近づいてきた。
あまりの剣幕にモーセが海を割った時みたいにクラスの奴らが一斉に退いた。
「谷川くん?そんなに慌ててどうした?」
「今井さんが…今井さんが昨日の奴らに呼び出されたんです!放っておけばいいのに助けに行くって飛び出して行っちゃって…」
「復讐しに来たってことかヨ、クソだな」
「俺どうしたら…」
半泣きの谷川くんにハンカチを渡し、肩を叩く
「伊藤くんと三橋に声かけて行ってくるわ、場所は?」
「町外れの廃工場です」
「おーし、谷川くんはガッコで待ってなよ。今井くんが受けらんなかった授業のノート取ってやれ」
かっこよく決めてやったぜ
谷川くんに背を向けながら手を振り、今日は食堂で食べると言っていた伊藤くんの元へと向かう
こういう時、伊藤くんがあの髪型で良かったと心底思うのだ。
人一人分突き出たそれを見つける。いい目印だ
「イトーちゃん」
「あれ、Aくんお弁当じゃなかったっけ?」
「もう食った、それよか聞いてくれ」
さっき教室で起こった事を手短に話すと伊藤くんは怒ったような顔になり、食べていた定食を残して返した。
勿体ない…なんて言ってらんないか
「Aくん三橋は?」
「さぁ…弁当忘れたーって騒いでたけど」
すれ違う不良共に三橋は何処かと聞きながら昇降口へ向かう。誰も見かけてないなんて可笑しいな
すると職員室に何やら小さな人だかりができていた
「同じ事考えてる?」
「多分ね」
山を掻き分け中を覗くとそこには1つの弁当に群がる3人の男が居たのだった
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作成日時:2019年10月4日 23時