44 ページ5
次の日、何時ものように学校へ行きつまらない授業を受ける。
今井くんに彼女が出来なかった事がよっぽど喜ばしかったのか隣席の三橋は終始上機嫌で、俺の弁当を無断で頬張っていた。
本気で殴ってやろうかと思ったがあまりにも美味い美味いと言うもんだから、ちこっとだけ嬉しくてそのままにしてやった。
そして放課後、珍しく伊藤三橋とは帰らずに1人で帰宅していると河川敷でシートを引きお菓子とジュースで騒いでいる二人組を見かけた。
あの青いジャケットは紅高だな
最近は佐川くんやその他の不良のおかげで近所の制服を覚えてきた。最も、今井くんとはなんだかんだと喋るので紅高だけは最初に覚えたが
「やっほ、何やってんだヨ」
「Aさん!」
「俺も菓子貰っていーい?」
「どうぞどうぞ!」
瓶ジュースを片手に隣の男を励ますチビ太くん基谷川が元気よく説明してくれた。
なんでも明美ちゃんに振り向いてもらおうと彼氏共々助けたが結局追いかけてくれなかったらしい
「馬鹿だねぇ、どれだけナヨっちくて頼りなくても好きだから今井くんを騙したんデショ?その時点で勝ち目ねーくらいベタ惚れってことだ」
「ぬぁぁぁぁ!俺の方が頼りになるのにぃ!」
「それはまァ、確かに」
「でも俺なんか嬉しいっす!今井さんがデートしてる時寂しかったっすから」
エラく慕われてるんだな、と思った。
あまり2人について知らないが何があったらこんなに人を信用して慕えるんだろう
「谷川ァ!」
「よしよし!いっぱい食べて次頑張りましょう!」
「谷川ァー!お前だけだー!」
まるで親子か兄弟か、そんな2人に混じりながら食べる菓子はとても美味しかった
63人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2019年10月4日 23時