５９ ページ22
寄りかかり邪魔されるなら仕方ないと、三橋を右腕で抱きしめるように持ちそのまま立ち上がって小脇に抱えた。できるもんだね
「離せー！」
ジタバタと手足を動かし暴れるのをそのままに庭へ出ると、そこには顔の色んなところが腫れたりテープで目を吊るように止められている和夫くん
思わず三橋を落とすと痛いと叫んでいたがそんなの関係ない
尻餅をついた状態の三橋を見下ろし頭を軽く叩いた
「やりすぎだ！」
拗ねたように顔をむくれさせぶぅぶぅと文句を垂れ始める
お前が拗ねるだけで良いならそれで構わないが和夫くんに実害が出ている以上甘やかすのはダメだろう
「反省しろ」
「俺は強くしてやろうと特訓したんだ、反省することなんかねぇー！」
伊藤くんの後ろへ隠れた彼へ怒り始めた、
頼られたいわりにやる事が最低なんだよな
「おめーは人に物を教えるたまじゃねぇ。他にやり方ってもんがあんだろーが」
流石にブチギレている伊藤くんはど正論を三橋にぶつけるが、それをものともせずバカ！カッパ！と叫んでいるあたり懲りていない。
「和夫も男のくせに人の後ろになんか隠れてちゃ駄目だ。コソコソしてなきゃイキナリ殴ったりする奴いねーよ」
「そっかー！」
嫌な予感がしたので動き出す前に三橋の腕を掴んだ。
「何すんだヨ！世間の厳しさはこんなもんじゃねーんだ！」
「イキナリ殴ろうとするなよ」
「Aも邪魔しやがるなら容赦しねーぞ」
「何言っ──ッ！？」
悶絶。
「ほら、奴らの言うことは嘘だ。イキナリ金た○蹴る奴もおるのじゃ！これからは三橋大先生の言うことに絶対服従しろ」
「ひぇ…」
あまりの痛みに声にならない悲鳴をあげてゴロゴロその場を転がった
そんな姿を見て怯えきった和夫くんは三橋に引き摺られるように連れていかれそうになっている
「その妙な特訓はやめろ！そんなモンで強くなれる奴がいんなら見てみてーもんだな！」
「オ─！？見せてやろーじゃねぇか！」
そこから何かを言い合った2人は場所を変えると言い半泣きになっている和夫くんを伊藤くんが、地面で死んでいる俺を三橋が動かそうとし始めた
優しくして欲しかった。
背中をドスドスと踏まれ振り返ると垂直になりそうな勢いで目尻を吊り上げている三橋
可笑しいな、鬼のツノが見えるぜ
「起きろA、いつまでも転がってんじゃねー」
理不尽、その一言に尽きる
まだ痛むソコを抑えて地面で撃沈している俺を無理やり立ち上がらせ歩き出した。
「…無くなったかもしれない」
「ちゃんと付いてるから安心しろ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2019年10月4日 23時
