４０- 今井の男道編 ページ1
爽やかに去っていった今井くんからしばらくして、俺たちも茶店を後にした。
キャラメルの箱を手に持ちボケーっとした三橋の背中を押しながら帰ろうとしていた。
「今井くん、爽やかだったなあ」
「彼女出来たらああも変わるんだな」
「伊藤くんも彼女いるじゃん、何か変わった？」
「特には無いかなぁ…デートしたくても三橋が邪魔するから2人の時の方が少ないし」
「うっわ可哀想」
「慣れちゃったけどね」
「余計可哀想だわ」
もう彼らの事は忘れようと2人で雑談していると、意識を取り戻した三橋がキャラメルを一度に全部口に入れ空箱を地面に投げ踏んづけて潰した。
グシャグシャになった空箱はちゃんと回収してゴミ箱に捨てた、伊藤くんが
「チクショーめが…舐めやがって！」
「キャラメルだけにな」
「俺ァ他の誰に馬鹿にされんのも構わねーがアイツに馬鹿にされんのだきゃ我慢なんねー！」
クチャクチャとキャラメルを噛みながら怒る三橋
貰ったものを律儀に食っておきながら言う事じゃ無いだろう
「なんとしても今井のガクゼンとした面拝むのじゃ」
「もう帰ろーぜ？二股掛けられてんならすぐ振られるって」
「そうだぜ三橋、追い掛けたところで相手されねーよ」
「五月蝿い五月蝿い！お前らだって馬鹿にされたんだぞ」
説得しようとした俺たち2人を鬼の形相で睨み唸る
本当獣みたいだネ、と言う感想は置いておき
馬鹿にされたことに関しては、まぁ…
「癪だけど…すっごい癪ですけど！？二股されてる人をどうこうするのは俺の良心が痛むってもんだヨ」
「そんなもん捨てちまえ」
そういうと今井くん達が消えた道へと歩き出した
いくら呼び掛けても振り返らない三橋に伊藤くんと顔を見合わせ大きな溜息をついた。
もう止まらないんだろうなー
「行く？」
困った様に笑う伊藤くん
チラチラと三橋の去った方を見る様子に、彼も三橋の友人なんだなと改めて思う。
行きたいんだろう
「…結末気になるし行くわ」
「ダヨネ！」
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作成日時：2019年10月4日 23時
