もう1人のミツハシくん【今日から俺は!!】 (ページ46)

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怒った三橋は俺が飲んでいた缶コーヒーをぶん取ると綺麗な投球モーションで今井くんに向かって投げた。
まだ少し残っていた中身は空中にばら撒かれながらも、今井くんの頭にあたり髪をびしゃびしゃに濡らした。

「俺のコーヒーが…」

「辞めなさいよ三ちゃん、明美ちゃんに当たったらどうするの」

ところが、当てられた当の本人は気がついていなかった。ビッショビショだというのにまるで何も起こっていないように明美ちゃんと話している

「無視してんじゃねぇ！」

怒りの治らない三橋選手によりゴミ箱の蓋が円盤投げのように投げられ今井くんの頭にクリーンヒット
流石にガンッという鈍い音が響いたので明美ちゃんには気づかれた。

「今日もレスカ頼んじゃおっかな！」

「今井くんどうして気がつかないんだ…」

「流石だな今井…」

「三ちゃん駄目じゃない！」

感心する伊藤くんと怒る赤坂さん
ギャーギャーと喧しく騒ぐ俺たちに一向に気づかない今井くんへ明美ちゃんがこちらを指差しながら何か伝えた

「あ～Wミツハシなんて奴らもいたね。過去のことはもう忘れたよ」

高笑いして立ち去った彼の言葉に膝から崩れ落ちた三橋。
今井くん、俺のことWだなんて思ってたのネ…
コンクリートの上で甲子園で負けた球児のように砂を集める三橋を引きずりながら俺たちは学校へと向かったのだった。