34.Ito ページ43
「三ちゃんに負けた…!」
楽しそうに走り去った2人に向けて小さく、悔しそうに呟いた理子ちゃん
Aくんが理子ちゃんのいうことを聞かなかったのは少しだけ予想外だった。
最近知ったことだけど、Aくんは何処と無く性格が三橋に似ているところがある。だからああいう場面には突っ込んで行っちゃうのかな、と思う。
三橋と違うのは、巫山戯る時だけ暴走するってところかな
「何が2人をあんなに駆り立ててるのか不思議だワ」
「馬鹿なだけだよ」
2人の背が見えなくなった道を見つめながら言うと隣から控えめな笑い声が聞こえた。
「さ、帰ろっか」
「伊藤ちゃん今日はデートじゃないの?」
「うん、次のデートは明後日!茶店でパフェ食べようかなって…」
「いいわね!駅前の○○って喫茶店にカップルパフェっていうのが出てるって聞いたことあるわ」
駅前の喫茶店といえば今日Aくんが面接受けてたな。名前も確か○○だったはずだ
「そこAくんが面接受けたところかも」
「落ちたところね」
意外に辛辣なコメントだ
「三橋と違ってしっかりするところはしてるのに、なんで落ちたんだろう」
「…見た目がツッパリよね、Aちゃん」
「あぁ…」
慣れてしまったから何の違和感もなく接しているが、茶髪に所々混じる赤毛は真面目くんやナンパな感じがしないな
金髪ほどじゃなくても印象は良くないだろう
「Aちゃんも今井くんと同じで残念な人よネ」
Aくん、今井と同列に考えれてるぞ
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作成日時:2019年9月7日 1時