12話 ページ12
貴方サイド
「俺が、なんだ?」
三日月は続きを促す様に僕を見る。
「……なんでもない。要は、彼女にもっと優しく接しろって事だろ?努力はするよ」
努めて平静を装い、もうこの話は終わりだと悟らせる。
三日月は納得いってないのか、不満顔を露わにする。
「待て。俺に言いたい事があるんじゃないか?」
「何も無いよ。良いから出て行って___」
いきなり三日月に手を掴まれた。
驚いて三日月を見る。
「もう一つ教えろ。どうして小さいのを睨んだんだ?」
どうして睨んだか……
三日月と一緒に居るのに嫉妬したなんて言えない。
言えたらもっと素直になってる。
けれど、強く見つめる瞳に目を逸らせない。
「鶴が……理由か?」
急に口を開いたかと思えば、国永の名を出した。
「何で国永が理由になるの?」
確かに国永が彼女を気に入って気に食わないとは思ったけど……
「……Aは、いつも鶴丸の事しか見ていないんだな」
どういう意味か聞こうとした時、ぐらりと視界が反転した。
背中が床に打つかる音と、腹に重みが加わったのに気付き慌てて状況を確認する。
三日月が僕を押し倒し、馬乗りになっていた。
「ちょ、何……!」
三日月を退かそうとすると、彼は片手で僕の両腕を押さえつけた。
「お前が鶴丸を見続けるなら、いっそ閉じ込めてしまおうか」
妖艶な笑みを浮かべて言う三日月に、若干の恐怖を覚える。
「待って、何の話……!?」
「何、俺の独り善がりな嫉妬だ。気にしなくて良い」
いや気にするよ!
てか、三日月何か勘違いしてない!?
「三日月、僕は国永を親友として……んっ!?」
突然の口吸いに、唖然とする。
「済まぬ。だがお前の口から他の男の名が出るのは気に入らない」
そう言って、僕の口を噤む様に何度も口付ける。
「本当に、お前は俺の心を掻き乱すのが上手いな」
その言葉の真意が分からない。
ただされるがまま、三日月と一夜を過ごした。
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ちょこクレープ(プロフ) - そうなんですね!ありがとうございます。 (2022年6月16日 22時) (レス) id: 4c69a0ba50 (このIDを非表示/違反報告)
望月海(プロフ) - リンさん» 倶利伽羅は大倶利伽羅の愛称ですし、ゲーム内で燭台切光忠から伽羅ちゃんと呼ばれています。知りませんでしたか? (2022年6月16日 21時) (レス) id: 3c48936758 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - 倶利伽羅ではなく大倶利伽羅ですよ!あっ別に気にしなくてもいいですよ (2022年3月23日 16時) (レス) @page6 id: 4c69a0ba50 (このIDを非表示/違反報告)
望月海(プロフ) - ラッキージャーヴィスさん» お待たせしてすみません! (2018年5月14日 17時) (レス) id: e37311db21 (このIDを非表示/違反報告)
ラッキージャーヴィス(プロフ) - 待ってました (2018年5月14日 0時) (レス) id: efdc29cd63 (このIDを非表示/違反報告)
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