3話 ページ3
二人に違和感を感じたけれどその原因は何だろう。
夕餉になってもそれを考えていて他の刀剣に食欲が無いのかと突っ込まれた。
即座に否定したけど心残りはあった。
小さい僕が一期に懐いているのを目の当たりにした刀剣達は粟田口の長兄は伊達じゃないと褒めていた。
一期が小さい僕を妹の様に可愛がるのを見て、粟田口の短刀達も彼女と仲良くしようと積極的に話しかけている。
彼女が彼の弟達に対して反応が薄かったのは気になるけど、突っ込んだらまた一期に責められそうだった。
恋仲の一期にあの様な態度を取られるのは堪えるものがある。
それに小さい僕の事を引っ掻き回したら他の刀剣達からも責められそうだし、暫く様子見するか。
次の日から、僕は遠くからなるべく気付かれない様に彼女を観察した。
一日経っても彼女が他の刀剣に慣れるわけもなく、一期と行動を共にしていた。
主も一期に任せるのが適任だと思ったのか特に何も言わない。
彼女に関しては少しだけ警戒心が薄れたのか昨日よりは表情が柔らかい。
あー……一期と二人きりになれるとか羨ましいなぁ……
僕自身と一期はずっと一緒に居られるわけじゃない。
戦場に出陣しなきゃならないし、遠征や演練だってある。
あんな風にくっ付く事がないから、どんな感じなのか興味をそそられる。
でも今僕が近付いたらあの子結構警戒するかもなぁ。
もしかして、今まで自分は辛い想いをして来たのに僕が此処で不自由なく過ごしているのを見て嫌悪感を覚えたんだろうか。
僕なら考えられる。あり得ない事ではなかった。
けどこんな事で恨まれて嫌われてもな。
悶々と畑仕事をこなしていると同じ畑当番の小竜さんに声を掛けられる。
「仕事も終わったし、そろそろ戻ろうか」
「そうですね」
仕事道具を片付けて自室に向かうと、お風呂に入る準備をする。
畑仕事は汚れるのを避けられない。
泥が付いたままなのは不快なので大浴場に向かう。
内番服を脱いで身体にタオルを巻いて湯船に浸かる。
あー、落ち着く。そう思っていると入口の方で短い悲鳴が聞こえた。
何かと思って目を向けると顔が真っ赤の小竜さんと目が合う。
「っ！ごめんね、Aちゃん入ってたんだ？直ぐ出るから」
「別に構いませんよ。どうせ同じ刀ですから。小竜さんも泥を落としに来たのなら入ったらどうですか？風邪を引きますよ」
人間の身体は兎に角不便だ。少し無理をするだけで壊れてしまう。前の主もそうだった。
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ちょこクレープ(プロフ) - ありがとうございます！楽しみにしてます！ (2022年6月16日 22時) (
レス) id: 4c69a0ba50 (このIDを非表示/違反報告)
望月海(プロフ) - ちょこクレープさん» 返信遅れてすみません。次にどの刀剣男士にしようか迷っていたので、時間はかかるかもしれませんが書いてみますね。 (2022年6月16日 21時) (レス) id: 3c48936758 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこクレープ(プロフ) - 面白かったです！できれば、燭台切光忠のバージョンもみたいです！ (2022年5月26日 17時) (レス) @page12 id: 4c69a0ba50 (このIDを非表示/違反報告)
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