にひゃくよんじゅうなな。 ページ9
A 「く、くにゆき……、それって、どういう意味なの……?」
恐る恐る、国行に言葉の意味を聞いた。もしも、ただの冗談だったならば、笑い事で済ますことが出来る……けれど、「冗談や」と国行に言われることが、なんだか怖かった。
何でかしらね、そう言ってくれた方が気まずくならないし、私だってこんなぐるぐる悩まなくていいはずなのに。
明石 「冗談やと思うか?」
A 「…………思わないわ。」
国行の言葉には、嘘が感じられなかった。嘘が感じられなかったから、私は絶賛混乱中なのよ。
いつものおちゃらけた感じなんてこれっぽっちも混ざってない真剣な瞳で見つめられて、なんだか恥ずかしくて目を逸らしたくなったけれど、釘付けになったみたいに、国行から顔を背けることができなかった。
明石 「今日自分がAを誘ったのも、ぜーんぶこん時の為や。Aが喜びそうなとこを、乱くんや次郎はんと相談して、色んな雑誌を床に並べながら選んだんや。
少しでもかっこええとこ見せよう思って、燭台切はんとかに相談乗って貰ったり、主はんからこの時代の人との関わり方とか教えてもらったりもした。」
そこまで言い終えて、国行は一度息を吐いた。すると、ガッと両肩を掴まれて、私はまた国行に抱き締められた。思わず「ひあっ」と声が出た。いきなりは心臓に悪いわ!なんて一言くらい言える余裕は、生憎今の私には無かった。
明石 「Aが他人と話とっても嫉妬するし、怪我して帰って来た時は、その怪我させた奴をすぐにでも斬りにいきたい思いに駆り立てられる。嬉しそうな顔してるA見ると自分も何や嬉しいし、逆に寂しそうな顔してはると、自分も気分が下がる。
_____そんくらい、Aを想っとる。
此処まで言っても自分の想いは伝わらんかいな。」
困ったように目尻を下げてそう聞いてくる国行に、私はブンブン、と首を大きく横に振った。多分、今の私の顔は真っ赤な林檎みたいになっていると思う。そんな顔を国行に見せたくなくて、私から離れようとする国行の身体に手を回して、顔を見られないようにした。
A 「(こんな真っ直ぐに伝えられたの、初めてだわ……)」
778人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A(プロフ) - 碓氷時雨さん» なんですって?! ごめんなさい即刻直します!!本当にありがとうございます!そしてすいません! (2020年2月8日 21時) (レス) id: 8464144616 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷時雨(プロフ) - 「にひゃくろくじゅうに」の所で清光が清松になってますよ! (2020年2月8日 20時) (レス) id: d4ecd76fec (このIDを非表示/違反報告)
まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A(プロフ) - 愛が止まらない人さん» ありがとうございます!応援して頂けると本当に力になります!頑張りますね! (2020年1月13日 16時) (レス) id: 8464144616 (このIDを非表示/違反報告)
愛が止まらない人(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!!頑張ってください!!!!! (2020年1月13日 10時) (レス) id: 9082f6abc2 (このIDを非表示/違反報告)
まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A(プロフ) - 絵里奈さん» ありがとうございます!受験も作品も、若いからこそ出せる熱量で頑張っていきます!今作品でも何卒宜しくお願いしますね! (2020年1月13日 8時) (レス) id: 8464144616 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月12日 21時