31話 ページ33
スザクが発ってから10日が過ぎた
私はというと、体育着を取りに自身のロッカーを開けたところで思わず固まってしまっていた
友1「A〜?どうしたの?早くしないとヴィレッタ先生に怒られちゃうよ〜?」
既に体育着に着替え終わったらしい友人達は、私にプラプラと手を振っている
貴『ご、ごめん!ちょっとトイレ行きたいから先行って先生に伝えといてくれる...?』
友2「んも〜仕方ないなあ。早く来なよー!」
貴『分かってるってー!』
さて。友人達を追い払ったところで...これどうしよう。
私の体育着には、白いドロリとしたものがかけられていた。これは......水溶き片栗粉??でも片栗粉からこんな嫌な匂いがするだろうか?てか誰が何のために私の体育着に片栗粉を?
考えていても仕方ないし、とりあえず落ちなくなる前に洗っちゃおう。そう思い私は、教室から出て外にある石鹸が設備されている水道へ向かった。授業中にここに来る生徒はいないだろうし、サボりと疑われる心配もなく洗える
?「おい。何だそれは」
突如背後からかかった声に思わずビクーッ!とお手本のようなビビり方をしてしまった。が、その聞き覚えのある声に一瞬のうちに安堵する
貴『あ、ルルーシュ!何してるの授業中だよ?』
ル「質問に質問で返すな。何をしていると聞いている」
貴『ああこれ?なんかイタズラされちゃったぽくてさ〜。体育着にイタズラといえば、スザクを思い出すよね!入りたての時に日本人の軍人っていろんな意味で騒ぎ立てられてさ。後で3人で躍起になって汚れ落とそうとして...』
私が笑いながら喋っていると、ルルーシュに体育着をひったくられた
貴『ちょ、ルルーシュなんで取るの。それ洗わなきゃ...』
ル「.......いい。俺がやっておく。」
貴『はい?いやいや、手伝ってくれるのはありがたいけど...』
ル「A。今日は帰れ」
ルルーシュの意図がわからず困惑していると、静かな...それでいて有無を言わせないような、近年ごくごく稀に見るルルーシュの感情を含まない声音に思わず後ずさる。
ル「いいな。今からまっすぐ家に帰れ。教員には俺が伝えておく」
貴『は、はい...』
あの声音を前に何も言うことが出来なくなってしまい、訳も分からないまま私は家路についた
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作者名:ぴー | 作成日時:2019年3月1日 2時