25話 ページ27
ルルーシュside
シュナイゼルはしばらく俺の顔をまじまじと眺めながら黙り込んだ後、一つため息をついて話し始めた
シュ「ルルーシュ。君の言った通りスザク君が君とAにとって大切な人であることは分かっているさ。でもね、私の大切な2人を任せられる人間かどうかはまだ分からないんだ。日本人に偏見を持つつもりは無いが、やはり異国人である以上こちらも多少なりとも警戒しなければならない。もしスザク君が君とAを殺そうとしてる日本の刺客だったとしたら?もし懐に入れてしまえば私が助けてやることは出来ないんだ」
俺はその言葉に思わずカッとなって叫び、机に拳を思い切り打ち付ける。机の上に置かれたティーカップが揺れ、中の紅茶が少しこぼれる
ル「ッッ!!貴方に見極めてもらう必要なんてない!俺とAは小さい頃からスザクと一緒にいる。とてつもなく長い時間を共に生きてきた!スザクが日本からの刺客?俺達の命を狙っているとしたら?いい加減にしてください!これ以上俺の友人を侮辱するつもりなら俺は...」
シュ「落ち着きなさいルルーシュ。私は君たちの兄として...」
ル「兄?兄ですって?そう言いたいのなら、俺達の目を信じてください!実の妹と腹違いの弟の大切な人を信じてやろうとは思えないんですか!?」
シュ「思えない。何故ならば私は君の言う「長い時間」を共に生きていないからだ。一度情を持ってしまえば見えない部分もある。客観的な目線で見ないと気づかないところもある。私がスザク君を極西の地に送り込めば君たちから恨まれることも、反感を買うことも知っていた。だがそれでも見極めなければならない。彼が本当に私の妹弟に相応しいのか」
ル「見極めるなんて随分聞こえのいい言い方をしますね...。初めからスザクを生かして返す気なんて無いくせに」
シュナイゼルの言葉に今度は俺がはぁとため息をつき前のめりになった姿勢を戻す。
一応紅茶を零した詫びを入れ、近くにあった布巾で拭きながらシュナイゼルを睨みつける
シュ「酷い言われようだね。」
ル「普段の行いのせいじゃないですか?」
シュ「君がそういうのならそうなのかもしれないね」
結局俺が何を言ってもシュナイゼルは方針を変えようとはしなかった。Aから直接辞めてくれと言われても首を縦には振らないと言うのだから、俺にはもう出せる札がなかった。
俺の完敗だった
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作者名:ぴー | 作成日時:2019年3月1日 2時