不死川実弥 「股ドンをしながら深く接吻しろ」 ページ41
リクエスト。
.
「うん今回も長えな」
私はもう菩薩の表情で感想を述べた。此処まで来たらもうどうにでもなれという心境である。いっそ悲鳴嶼さんみたくずっと南無南無言ってようかな。
がそんなことも言ってられない。
「いつまでボケッとしてやがる」
「スケベ柱」
「今テメエ誰のこと言ったァ!?」
一言の挑発だけで面白いように青筋を浮かせる不死川には溜め息しか出ない。
うんもういいや。分かった分かった、キスすりゃいいんでしょ。
「壁」
一言だけ言い顎でくいっと指図する不死川に反射的に両手が左側に伸びる。其処には何もなかったちくしょうめ！！
マジで何で刀無いのかなー、伊黒の時はあったのになーと下らないことを考えながら壁によりかかった。
「……何でお前がいつもそういう方な訳？」
無意識に出た言葉だった。はあ、と不死川が眉を歪めた。
いつも私だけやられっ放しなのは何だかムカついただけだ。そう弁明し、別にもういいと不死川に伝える。
そしてそれで終わりのはずだったが。
「はッ、まあお前は下手だもんな」
「……は？」
ぴきっ。
「いやいや別に。俺の方が上手いからいつも俺がやってるだけなんだが、自覚がなかったんだなあ？」
びきびきっ。
「まあ醜女のテメエにそれを求めちゃ酷か。悪かったな」
ぶちっ、と血管が切れる音を確かに私は聞いた。
余りの怒りにひくひくと痙攣する口元をぼろ雑巾と化した理性で押さえ、「誰が……下手だって？」と言った。
「お前」
殺す。
その二文字が浮かび上がったものの、今の最適解はそうじゃない。要するに私がキスが上手いと証明すりゃいいんだなオイ。
奴の隊服を掴み、自分の方へと引き寄せる。私も精一杯背伸びをして、唇を重ねた。
不器用に舌を絡める。……ええ判ってました、判ってましたよ！ ちくしょうコイツの方が上手いですはい認めます!!
が、もう今更止められない。
ん、と息継ぎをしてもう一度重ねる。不死川は苛つくことに全く動かず、私は拙くキスをした。
もういいや、と思い唇を離す──否、離そうとした。
「……!? んん、」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1626人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廣岡唯 - しのぶさああああああああああああああああああんと蜜璃ちゃんああああああああ (2022年11月30日 9時) (
レス) @page18 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
利音 - 嘘つきピエロさん» 走れメロンだよ (2021年9月22日 15時) (レス) @page28 id: a5ff14c25a (このIDを非表示/違反報告)
玄武 - んん” か”っこ”い”い” (2021年7月3日 22時) (レス) id: be050932d4 (このIDを非表示/違反報告)
嘘つきピエロ - 伊黒さんの「死ぬ気で闘え」の序盤の2文って走れメロスでしょうか……？ (2021年1月21日 15時) (レス) id: f059c2a2b0 (このIDを非表示/違反報告)
nao0824hito(プロフ) - 不死川さんと冨岡さん私も好きです。 (2021年1月1日 0時) (レス) id: 04378a0bcb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2019年12月26日 16時
