時透無一郎 「耳を責めろ」 ページ30
リクエスト。
総合三位ありがとう御座います、精進します。
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「……えーっと」
ぼーっと木札を見て動かない時透君に、私はどうする、と声をかけた。
時透君はゆっくりと私の方を向き、「どうするって、これのこと?」と訊いた。ちょっと視線を彷徨わせながら私は「うん、……まあ」と答えた。
「するしかないでしょ」
はい来ました合理的判断ー! と脳内で叫んだ私だったが一ミリもそれを相手に気づかせずに「そっかあ」と言うだけにしておいた。
いや待てそっかあじゃねえわ。そんなゆるゆるなお題じゃねえわコレ。
「えっと時透君、これの意味分かってる?」
「分かってないでこんなこと言うと思う? 莫迦なの?」
「デスヨネ」
相変わらずの毒舌っぷりに私は心に135のダメージを心に負うも、鬼並みの速さで回復させた。
いや……いやだってこの子十四歳じゃん、流石に分かんないと思ったのよ。つうか分かってたのはそれはそれですげえ驚きなんだけど何処で知ったんだよ。
ちょっと引いた目で見る私に「何その目」と絶対零度の視線を向けた時透君に私は「いえ何も」と反射で返した。
「えっと、どっちがその、」
「……君僕にやるつもりなの?」
「ねえ待って、私何も言ってないのにそのショタコンですかっていう目止めてくれない?」
凄い傷ついた。
さっきより傷ついた。
「じっとしてて」
一番最初にこの場所に来た時から恐らく一度も動いてないだろう足を、時透君はこちらに向けた。
お、お手柔らかに、と固い声を聞くか聞かぬかの内に、時透君は私の耳を、己の口内に含んだ。
声が出なかったのは私が自分の口を咄嗟の判断で塞いだからで、それがなければとんでもない醜態を柱に晒すところだった。もうこの時点で晒しているようなものなのだけれど。
軟骨の部分を甘く噛まれて、耳朶の上を舌が這った。はあ、と掠れたような吐息にすらびっくりして、肩が跳ねる。
十四の癖にすげー慣れてるような感じだった。これすら天才という説明で片が付くのか、ちくしょう。
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廣岡唯 - しのぶさああああああああああああああああああんと蜜璃ちゃんああああああああ (2022年11月30日 9時) (レス) @page18 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
利音 - 嘘つきピエロさん» 走れメロンだよ (2021年9月22日 15時) (レス) @page28 id: a5ff14c25a (このIDを非表示/違反報告)
玄武 - んん” か”っこ”い”い” (2021年7月3日 22時) (レス) id: be050932d4 (このIDを非表示/違反報告)
嘘つきピエロ - 伊黒さんの「死ぬ気で闘え」の序盤の2文って走れメロスでしょうか……? (2021年1月21日 15時) (レス) id: f059c2a2b0 (このIDを非表示/違反報告)
nao0824hito(プロフ) - 不死川さんと冨岡さん私も好きです。 (2021年1月1日 0時) (レス) id: 04378a0bcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2019年12月26日 16時