自覚 ページ45
ー黒尾鉄朗視点ー
飲み物の入った重い袋をクーラーボックスに入れた後、篠原にお礼を言ってもらい(笑顔が可愛かった)、俺は再び木兎がいるBBQグリルの前に移動する。
育ててた肉はどうせあいつに食い尽くされてるだろうけど、他にウインナーとかくらいなら残ってるだろう。
…まぁ、ピーマンしか残ってなかったわけだけど。
木兎「でー？
篠原に片思いしてるっぽい黒尾くん」
スイカを食ってれば木兎はニヤニヤとうるさい顔で俺に話しかけてきた。
え、お前にわかるほどそんなにわかりやすい…？
むせてスイカを吹き出してしまった俺の後ろに座る研磨は嫌悪感丸出しで汚い、と一言口にした。悪いね。でも、突然こんなこと言う木兎の方が俺悪いと思う。
孤爪「だって、クロあからさまじゃん。
篠原さんと話すとき顔かなりだらしないよ。」
つめたーい目線を送る幼馴染はズバズバと言いたいことを言ってスマホいじりに戻った。
普段ならもう少し交流を深めなさいと言うところだが、さっきまでチビちゃんと喋ってた上に今俺は意外にも傷ついているので言う気にならない。
いや、傷ついてるって言うより…なんだろ、図星で恥ずかしい…？
今まで本気で誰かを好きになったことないくせに、見た目のせいで恋愛相談とか割と受けてきたけど…
こんななのか、なんてむず痒いような胸に手を当てる。
他人の話だとこう、冷静に分析できるのに自分のことだとこうもこんがらがるとは…
木兎「番号とか、トークアプリで交換しなくていいの？
赤葦経由で聞けるとはいえ直に聞いた方がいいんじゃん？」
木兎にしてはいいこと言うじゃないか。
感謝の気持ちを込めて背中をバンバン叩いたらあいつはジト目でこっちを見てはよ行ってこいよ、と急かした。
…篠原は…って隣にいるのは誰だ…？
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年4月16日 0時
