気づいた ページ18
皐月「はい、雛乃様、A様。」
家の前には普通の、割とどこにでも走ってそうな車が止まっている。
彼曰く、防犯も兼ねてのことらしい。
花園「確かに普通に見えるけど内装は相当凝ってるね。」
どうやら、１０００万程するらしいこの車はスーッとあまり音を立てず上品に住宅街を走り抜ける。
１０００万と言われてもあまりピンとこないものだろう。
車とはいくらくらいするものなのか…
あまりそういうものに興味を抱かなかったためか金銭感覚に少し疎い気がする。
『一般的に、車っていくらくらいするものなんですか？』
皐月「まぁ、ピンからキリまで…ですが
車を買うのに使われる金額は平均でおよそ３００万と言われてますね。」
とするとこの車はやはり一般家庭では手が出しにくい代物らしい。
確かに平均収入は…
花園「ちなみに日本での平均年収はこの車の半分くらいだからね」
表情でも読んだのか彼女はこう言った。
『…平均年収の倍…』
そうか、これはお金持ちが乗る車なのか…
と今更ながら、革の心地よい匂いのする車で結論を出した。
ーーーーーー
月曜日は朝夕の部活がないので生徒が一斉に校門付近に集まり、月曜日はかなり混み合うことが多い。
校門の近くに付けられた車から降りると視線を感じる。
よく私でも知っている高級車に乗ってきている人はこういう気分なのか…
花園「ほら、行こう
あんまり遅いと車が混み合うから。
皐月さん、送ってくれてありがとう。」
『うん
皐月さん、ありがとうございます』
彼は薄く微笑んでまた車を滑らせていった。
車で通学しただけで自分はどこか違うところにいる気分だった。
学校はこんなところだっただろうか？
門にいる警備員さんに頭を下げ、校門をくぐる。
広い花壇がある校庭を抜け、さらに奥の校舎へ。
確かに入学当初も広いとは思ったが、北一ですでに鈍っていたのが出歩くこともなく、他の校舎を見ることがなかったからか特に疑問は浮かばなかった。
『…車で他の学校の校舎を見てわかったことがあるんだけど…
青城っていわゆる…』
言わんとしても意味がわかったようで彼女は少しため息をついた。
こればかりはかなり世間知らずというか興味がない私が悪いっ
花園「ここらでは白鳥沢学園と同じくらいのレベルと言われてるんだよ、一応。」
彼女の冷ややかな視線が刺さる。
靴箱にローファーを入れ、上履きを取り出す。
確かに、上品な人が多い気がしてきた。
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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです！(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (
レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑！世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2018年8月19日 8時
