確認 ページ17
気がついたら朝だった。
一人で寝るには少し寂しすぎるくらいの大きなベット。
あたたかいのに軽すぎる布団を跳ね除けてクローゼットから着慣れた制服を取り出した。
ぴっちりと、どこにもシワが見当たらないほど綺麗にアイロン掛けがされている。
2年間強着てきたはずなのに、この空間にあるだけで、どこか知らない、異質なものに思えた。
制服をベットの端におき、奥のバスルームに向かう。
高級そうな香りのする、実際高級な洗顔剤を泡立てて顔を洗う。
もっちりとした泡はその触り心地とは裏腹に、水でするりと落ちる。
寝室に戻って着替えればドアに控えめなノックが聞こえた。
花園「A、入っていいかな」
皐月さんあたりかと思っていたので、聞き慣れた彼女の声が聞こえてきて少し声がこわばった。
ドアはゆっくりと開かれて、制服姿のひなが部屋に入ってくる。
じっと彼女は私の足元を見つめて、口を結んでいる。
『やっぱり、昨日のパーティーにいたんだよ、ね？』
チラリと見えた彼女のものらしき後ろ姿を鮮明に覚えている。
紅のドレスが綺麗だったのを思い出した。
花園「…昨日、できればちゃんと話したかった。
言い訳をするつもりはないけど、”お披露目パーティー”っていう名目だと…身内の私は、近づくことが難しくて…」
よくわからない私でも、昨日で理解したことはいくつかある。
上下関係。
雁字搦めになること。
社交辞令。
礼儀。
順序。
『ううん。
私こそ、話すべきだったと思う。』
この状況で、こんなことを聞くのは酷だろうか？
家の関係で彼女が仲良くしてきてくれたのかもしれないが、今までの思い出が、全て嘘だとは思いたくない。
『「まだ、私の友達で居てくれる？」』
重なった声は広すぎる部屋に響いた。
二人で無表情のまま見つめ合う。
数秒だか、数分だか。
皐月「…友情を確かめ合うのはいいですが、朝食の準備が整いましたよ？」
突然現れた皐月さんが沈黙を破った。
私たちは言葉を交わさずに、手を握る。
柔らかいいつもの彼女に安心しながら皐月さんの後を歩く。
こんなにいい親友を持てて、私は幸せだ。
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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです！(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (
レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑！世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2018年8月19日 8時
