ド派手な継子 弐

陸拾伍話 帰宅 ページ18

「ただいまぁ……」



あの後鬼を数匹殺して帰ってきたが返事がない。


「雛鶴さん？須磨さーん？まきをさぁん………」


いないのか。気配も感じないし……

取り敢えず師匠が帰ってくるまでに家事を終わらせておこう。


洗濯物を干して掃除をする。

無駄に広い屋敷なので雑巾がけをするだけで死にかける。


それも終わり夕食の支度をしていれば玄関の戸が開く音がした。師匠が帰ってきたらしい。




「会議お疲れ様です。師匠。」

「おぉ、帰ってきてたか。」

「あの後柱の皆様大丈夫でしたか？」

「あぁ、目が覚めたあとお館様にこっぴどく叱られてたぞ。」


へぇー、温厚そうなお館様も怒るんだ。まぁ多分、めっ！みたいな叱り方だと思うけど。


「やっぱり謝罪に来るってよ。」

「別にいいんですけどね。」

「“首洗って待ってろ”だそうだ。」

「それ本当に謝罪ですか？私殺されません？」



絶対にそれ言ったの蛇柱さんだろ。

師匠は隊服から着流しに着替えてへんてこりんな化粧も取り手紙を書き始めた。



「あっ、そう言えば雛鶴さん達はどこにいるんですか？」

「遊郭。」

「………師匠の継子辞めます。さようなら。」

「何勘違いしてんだ。……おいっ！荷造りすんな馬鹿が！」




ゴミを見るような目で師匠を見れば面倒くさそうに訳を話してくれた。

なんでも遊郭に鬼がいるらしく嫁さん達は潜入して調査しているらしい。




「じゃあそれは嫁さん宛てですか。」

「あぁ。」

「じゃあAの階級が上がったって書いといてください。」

「楽しい文通じゃねぇんだよ。地味にお前は黙ってろ。」

「じゃあなんで手紙に私が柱を半殺しにしたこと書いてんだよ。」



嫁と楽しい文通してんじゃねぇか。

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