参拾漆話 無事帰還 ページ38
あの後直ぐに鋼を適当に選びカナヲと帰路に着く。
そして途中で彼女とは別れ一人で一本道を歩く。
―――――生き残れたんだ………
あの時、喰われる母を何も出来ず傍観していた私はもういない。
小さな潰れた豆の痕だらけの手を握る。
早く師匠の屋敷に帰ろう。
そこから走って屋敷へと向かえばあっと言う間に着いた。
「ただいま戻りました!」
「あっ、お帰りAちゃん!」
洗濯物を干していた手を止め雛鶴さんが嬉しそうに振り返る。
「直ぐに夕飯にしましょ!」
「はい。」
屋敷に入れば須磨さんに泣きつかれてそれをまきをさんが叱っていた。
「A………お帰り!」
「師匠……ただいま!」
嬉しくてバッと抱きつけば師匠は少し驚いた様な表情をするも、すぐに笑顔で抱き返してくれた。
「今日は随分と派手に甘えてくるな………よし、夕飯にすんぞ!」
私を抱き抱えて師匠は笑顔でお嫁さんたちに準備を催促する。
そして雛鶴さん達は嬉しそうに返事をして次々とご馳走を並べ始めた。
「今日は凄い豪華ですね。」
「なんたってAちゃんが選別から帰ってくる日だもの。」
「豚汁も好きなだけ食べていいからね。」
涙が出そうになった。
母が殺されて生きることを諦めた私を師匠は救ってくれた。
師匠と出会えて本当に良かった。
「でも私が帰ってこなかったらどうするつもりだったんですか。」
「俺の継子だ。ド派手に生き抜くに決まってんだろ。」
「師匠……」
「まぁ、いなくなったらなったで宴だな。」
「どういう意味だコラ。」
感動を返せ。
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ぽてちまる(プロフ) - 夜にコメントしちゃってすみませんでした!!ありがとうございます^ ^これからも楽しく読ませて頂きます!応援してます!! (2020年5月2日 3時) (レス) id: 011d244725 (このIDを非表示/違反報告)
AOI3(プロフ) - ぽてちまるさん» 指摘ありがとうございます!恐らくこれで見れるようなったと思います!すみませんm(_ _)m (2020年5月2日 2時) (レス) id: e5bf353bab (このIDを非表示/違反報告)
AOI3(プロフ) - シウさん» 編集遅れました!おそらく見れるようになったと思います…(><) (2020年5月2日 2時) (レス) id: e5bf353bab (このIDを非表示/違反報告)
ぽてちまる(プロフ) - 私も見れてないです…(汗)気になる!!^ ^ (2020年5月2日 2時) (レス) id: 011d244725 (このIDを非表示/違反報告)
シウ(プロフ) - イメージ画像が見られません( ; ; ) (2020年4月20日 1時) (レス) id: 4722f65ee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2019年11月23日 19時