【あんスタ】演劇科のアイドル

21話 守沢先輩と再会 ページ22

「あっそうだ。守沢先輩、これ良かったらどうぞ。」

「うん？……おぉ！差し入れか！」



ありがとう！と、言いながら守沢先輩は僕の頭をくしゃくしゃと掻き回すように撫でてくる。


馴れ馴れしいと思いながらも翠の先輩であるため邪険には扱えない。




「じゃあ僕はこれで帰りますね。」

「えっ？Aもう帰るの？」



馬鹿野郎。そこはさらっと流せ。

僕はもう出来るだけアイドル科には関わりたくない。その意思をこの幼馴染は僕の袖を掴んで妨害をしてくる。



「(でかい癖にやることが可愛いんだよな)」


袖を離そうとしない翠はそこら辺の女子よりも可愛いだろう(BLじゃないよ！)




「高峯の言う通りだ。ぜひ俺達の楽屋に来てくれ！歓迎するぞ。」

「いや、僕はいいですよ……遠慮します。」

「遠慮なんか要らないぞ！まぁ入れ入れ！！」



なんて強引なんだ。押しが強すぎるぞこの先輩


助けを求めて翠を見れば彼は僕の上げたお菓子に夢中になっていた。


久しぶりに翠に殺意と怒りを覚えたが捕まってしまったからには仕方ない。
取り敢えず今は早く帰ることだけを考えよう。




楽屋のドアの向こうから聞こえる賑やかな声に僕は深い溜め息を吐いた。

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