男装柱-弐-【不死川実弥】

第57話 ページ10

不死川実弥side



辿り着いた任務先には、鬼が腐るほどいた。






「こういう時に限って雑魚鬼が湧いてきやがんなァ…！」





強くもねェくせに次々と襲いかかってくる。
一体何体いんだよ。





「俺ァ今機嫌が頗る悪ィんだよクソがァ！！！」





もういいめんどくせェ。
一気に終わらせてやる…！


腕を切って稀血を垂らす。
鬼の動きが鈍くなった所で始末してしまおう。





「マ、稀血ィ……！」





目の色を変えて鬼たちが一気に飛びかかってきた。





「風の呼吸 壱ノ型…




塵旋風・削ぎ！」






次々と鬼の首が飛んでいった。






「片付いたかァ」






何体集まろうが雑魚は雑魚なんだよクソが。

煩わせやがってェ…！






「風柱様、ここから先はおまかせ下さい」


「さっさと片付けろよォ」





隠に後始末を任せ次の任務地へ走って向かう。





「爽籟ィ！！！」






名を叫ぶと、すぐさま寄ってくる優秀な相方。
暴風のような速度で走る俺の横を、遅れることなくピッタリと並んで飛んでいる。






「次の任務の概要を簡潔に言えェ」




「次ハ少シ厄介ダ。鬼ト人ガ結託シテイル」




「結託だと？」




「殺シテ、盗ミヲ働ラク奴ラガイル。遺体ハ鬼ニ食ベサセテ処分シテルラシイ」






信じらんねェ程のドクズがいるもんだ。

ただでさえ悪人なのに、鬼なんか…







………悪人？









「……爽籟、速度上げんぞォ」







ゾワ、と嫌な予感が背筋を突き抜けた。

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