第71話 ページ24
(不死川実弥side)
「クソがァ…!」
「随分ご立腹だなぁ!派手で嫌いじゃねぇがとりあえず落ち着けって」
霧柱の野郎がいなくなって、冨岡がその後を追うように帰って行ったあとも怒りが冷め切らない。
そんな俺の様子を見て、
宇髄がふざけながら宥めてくる。
「まぁまぁ不死川さん、そんなに腹を立てては良くないですよ。血糖値に加え血圧まで上がったらどうするんですか」
「お前ら黙っとけェ…」
胡蝶も笑顔を貼り付けて嫌味な事を言ってきやがる。
それに俺は高血糖じゃねェわクソが。
ただでさえ機嫌悪ィのによォ。
「それにしてもあんなに派手にキレなくていいだろ。
あ!もしかして…」
すすす…と宇髄が近づいてきて耳元に口を寄せた。
「好きなコに振られた?」
俺だけに聞こえるくらいの小声。
カッと体温が上がった。
怒りとあと、色んな意味で。
「違ェわ!!」
振られるどころか告げれてもねェわ!
何ならその前に拒絶されて凹んでたとこだわァ!
嫌なこと思い出しちまったァ…
「帰る」
「何だよ〜拗ねんなよ地味だなぁ」
こいつはもう無視だ。
次何言ってくるかわかったもんじゃねェし忍びの洞察力は舐めたらやばい事になる。
屋敷への帰り道、遠くに冨岡とAが一緒にいるのが見えた。
何だアイツら。
一緒にいるほど仲良いのかよ気持ち悪い。
今度はイライラではなくゲンナリした。
そして冨岡の屋敷の近くを通った時、
鈴の音のような、透き通った綺麗な声が聞こえた気がした。
俺が今1番聞きたくてやまない声が。
一瞬驚いて水屋敷を振り返ったが、すぐに我に帰る。
いやいや。
いるワケねェだろうが。
「…幻聴までとはなァ」
まともに恋というものをするのは初めての経験だが、
耳までおかしくなっちまうモンなのか。
ヤベェな。
明日、あいつ来てくれるかなァ。
いや…前回あんな別れ方したし来てくれねェかァ。
また、胸のあたりがもやもやしだした。
流石に恋愛経験の乏しい俺でもわかる。
今の自分はだいぶ男として情けねェ。
今のままじゃ駄目だ。
そして俺は決心する。
明日、もし彼女が会いに来てくれたら、
お前が好きだと伝えよう。
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れみ(プロフ) - 華花。さん» 華花。様はじめまして!コメントありがとうございます!とても嬉しいです…!続編でも頑張りますのでこれからも呼んでいただけると嬉しいです!! (2021年11月3日 15時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - Royal×Edenさん» いつも感想ありがとうございます!続編でもまた会えるのを楽しみにしてますね! (2021年11月3日 15時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。れみ様の書かれる言葉の一つ一つが物凄く好きです!お忙しいとは思いますが、体調にお気をつけて更新頑張ってくださいね。続編も楽しみにしております! (2021年11月2日 21時) (レス) @page49 id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - 柚葉さん» ありがとうございます!実弥たくさん出せるように頑張りますね!!また続編でお会いしましょう〜! (2021年11月2日 0時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
Royal×Eden - れみさん» れみさんこんばんはRoyal×Edenです!!夜中までお仕事お疲れ様です。最近は余り仕事の続きやらワクチン接種で感想が遅れて大変御迷惑をかけてしまいました(´д`|||)いよいよ第三章に入りますが一体ヒロインはどうなるのか気になってきます(^w^)♪ (2021年11月1日 19時) (レス) @page49 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れみ | 作成日時:2021年4月21日 19時